【あらすじ・ネタバレ・感想】『女の賭場』(大映/1966年)

こんにちは、館主のおのまとぺでございます。

今回は江波杏子さん主演の大ヒットシリーズ『女賭博師』の第一作『女の賭場』のあらすじ・感想などをご紹介させていただきます。

作品情報

  • 公開年月日:1966/11/26
  • 上映時間:84分
  • 配給・制作:大映

スタッフ

  • 監督:田中重雄
  • 原案:青山光二
  • 脚本:直居欽哉 、 服部佳
  • 企画:伊藤武郎
  • 撮影:小林節夫
  • 音楽:池野成

登場人物

  • 沢井アキ(江波杏子):かつては父親と同じ様に手本引の胴師を務めていたが、今は堅気となって兼松の支援のもと小料理屋の女将に落ち着いている。
  • 沢井辰造(水原浩一):手本引の名人とまでいわれる胴師。関東の親分衆が一堂に会した花会で立花によってイカサマを見破られ自殺する。
  • 沢井広志(酒井修):アキの弟。イカサマの責任をとって自殺した昔堅気な父親の最後を目の当たりにし、立花のもとに出入りする様になる。
  • 政吉(川津祐介):辰造やアキのもとで合力を務めていた渡世人。立花がイカサマを見破ったことで没落してしまった兼松組を再建するため、アキにもう一度胴師を務める様依頼する。
  • 立花鉄次 (渡辺文雄):花会で辰造のイカサマを見破ったことで世話人だった兼松を蹴落とし、自らの組を立ち上げ破竹の勢いで成り上がった。
  • 守屋俊夫(南廣): アキのの恋人。堅気だがアキがかつて胴師であったことも知った上で付き合っている。 造船会社につとめ、休日にはラグビーの練習に精を出している。
  • 兼松万之助(見明凡太郎):兼松組の組長。アキに無償で店の場所を貸すなど目にかけている。しかし、自分が世話役を務める花会でイカサマが起きたことで兼松組は没落の憂き目にあう。
  • かね(角梨枝子):兼松の妻。立花の強気の交渉を病床に伏している兼松に伝えられずにいる。
  • 仙波竜蔵(高村栄一):関東の大親分。イカサマを見破った立花の度胸を気に入り、立花自身の組を立ち上げさせた。
  • 塚田(夏木章):花会のイカサマに関わったヤクザ。重要な秘密を握っているため政吉が捜索する。
  • 留吉(三夏伸):アキの料理屋の板前。
  • おとよ(桜京美):留吉の妻。アキの料理屋の女中。
  • まゆみ(若松和子):立花の店の雇われマダム。陰では立花を成り上りものと小バカにしている。
  • 権藤(藤山浩二):立花の部下。警察に捕まった広志たちを釈放する様刑事に頼む。
  • サブちゃん(渡辺鉄弥):立花の子分。まゆみに気に入られている。

感想

胸のすく復讐劇

イカサマで父を失った主人公の復讐劇です。 あまり具体的に書くとネタバレになってしまうので簡単にしか書きませんが、本作は観終わったあとは爽快な気分になれます。 ここが2作目の『女賭博師』と異なるところでしょうか。

その主人公・アキの復讐を支えるのが川津祐介さん演じる政吉です。 この方がまたたいへん格好がいい。 仇の情報を握る塚田を探して大阪を奔走したり、アキの手本引の練習相手をしたりと随所で活躍します。 特にドスを持って大立ち回りをしたりするわけではありませんが、まっすぐな若い渡世人を渋い存在感で演じています。

ただ、作品全体としては少々小品な感じで賭場のシーンも少ないですし、弟のくだりも『必要かな?』という感じがいたしました。 色々不要なシークエンスもあった様に思いました。 あと、雇われマダムやダンサーのサリーなど中途半端に設定のあるキャラクターは増やさない方がよかったのではないかと感じます。 それであれば塚田のことをもうちょっと掘り下げて欲しかったかなと思いますね。

また、江波杏子さんの着物姿は非常に美しいですが、どうも迫力に欠けました。 おそらく、私が2作目の『女賭博師』を先に観てしまったからかもしれません。 2作目の方がはるかに迫力があります。

作品自体はちょっと物足りない感じもありましたが、大ヒットシリーズの一作目という記念碑的作品として視聴する価値があると思います。

俳優陣について(注:特撮オタク視点です笑)

もともと自分は特撮作品が好きでそれがキッカケとなり、昭和の邦画を観るようになりました。 大映作品も『宇宙人東京に現わる』がきっかけで観る様になった次第です。 本作に出演している見明凡太郎さんや夏木章さん、渡辺鉄弥さんも同作に出演されていました。 五社協定が生きている時代の作品はこうしてキャストが結構かぶっているので、そういったつながりを手繰っていくのも楽しいものですね。

また、川津祐介さんはしばらくの時間を挟んで1996年に大映の『ガメラ2 レギオン襲来』にも出演されています。 また主演の江波杏子さんや夏木章さんもガメラシリーズに出演されています。

そして、特撮ファンとしては何といっても守屋役の南廣さんに言及せずにはいられません。 マティージャックの天田役、そしてウルトラセブンのクラタ隊長役とくれば円谷特撮好きで知らない者はいないほどの俳優さんです。

それでは、またお会いしましょう。


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