【あらすじ・感想】『ある殺し屋』(大映/1962)

こんにちは、館主のおのまとぺでございます。

今回は市川雷蔵さん主演の『ある殺し屋』の感想です。

作品情報

  • 公開日:1967年4月29日
  • 上映時間:98分
  • 製作:大映京都撮影所
  • 配給:大映

あらすじ

塩沢は普段は小料理店の店主として暮らしていたが、その正体は凄腕の殺し屋であった。 塩沢はある日木村組の組長(小池朝雄さん)から商売敵である大和田の殺害を依頼される。 警備厳重で木村組の組員では近づくことさえできなかった大和田を、塩沢は針一本で見事暗殺して見せた。 木村組の幹部である前田(成田三樹夫さん)は塩沢のその腕前にほれ込み、塩沢のもとを訪れる様になる。 それに先だってたまたま塩沢と関わることとなり、小料理店に転がり込んでいた圭子(野川由美子さん)は、前田とともに塩沢を裏切り大金を手中にしたいと考える様になる。 そこへ総額2億円はくだらないといわれる麻薬の取引の情報が飛び込んでくる。 前田と圭子は塩沢を利用してこの麻薬を手中にしようと計画しはじめるが・・・。

スタッフ

  • 監督:森一生
  • 脚本:増村保造、石松愛弘
  • 撮影:宮川一夫
  • 音楽:鏑木創

キャスト

  • 塩沢:市川雷蔵
  • 圭子:野川由美子
  • 前田:成田三樹夫
  • 木村:小池朝雄
  • 茂子:渚まゆみ
  • みどり:小林幸子
  • 健次:千波丈太郎
  • 錠:伊達三郎
  • 大和田:松下達夫
  • 巡査:浜田雄史
  • ボディガードB:橋本力
  • ボディガードA:堀北幸夫
  • 刑事:寺島雄作
  • 「菊の家」の客:越川一
  • 飲食店の主人:芝田総二
  • 老婆:岡島艶子
  • 松(大和田組の三下):黒木現
  • サブ(大和田組の三下):伴勇太郎
  • 沢井(前田の弟分):上原寛二
  • 「菊の家」の客:岩田正
  • 東都建設社員A:加賀美健一
  • ボディガードD:志賀明
  • 東都建設社員B:大林一夫
  • ボディガードC:森内一夫
  • ボディガードE:松田剛武
  • ウエイトレス:久本延子
  • 通行人:村田秀雄(団時朗)
  • 東都建設のパーティの客:平泉征(平泉成)

感想

市川雷蔵さん演じる塩沢は普段は小料理屋の主人に収まっているものの、実は凄腕の殺し屋というワクワクする設定の犯罪映画でした。 また、殺し屋といっても拳銃でドンパチやったりしません。 むしろ劇中で一度も発砲していません。 じゃあ何で殺すのかというと針で人を殺します。 エンピツで人を殺すジョン・ウィックもビックリの暗殺方法ですね。 また警戒心が強く準備も念入りに行うので地味な画が続きますが、これがまたカッコいいんですよね。 表情を出さずとも有無を言わさぬオーラを立ち昇らせる市川雷蔵さんだからこそ、そして森一生監督と宮川一夫カメラマンという一流のスタッフがいたからこそ、この静かで地味な間が緊張感を湛えた静寂に姿を変えたのだと思います。 鏑木創さんの哀愁漂う音楽も雰囲気の醸成に大きく貢献していました。

成田三樹夫さんは今回塩沢にあこがれと苛立ちの感情を併せ持った野心的なヤクザを演じていました。 すさまじい存在感で悪役とも味方ともつかない準主役級の前田という役を演じきっていました!

きらびやかな女優たち

映画序盤からお色気シーンでセクシーな魅力全開だった野川由美子さん、打算的な悪女ながらどこかかわいげのある圭子役がピッタリでした。 目がぱっちりしていて鼻も高くエキゾチックな魅力にすっかりやられてしまいました(笑)

出演時間はあまり長くありませんでしたが、パーティーのシーンでの艶やかな着物姿と美貌で印象に残ったのが渚まゆみさんです。 渚さんも目がくっきり二重で日本人離れした美貌をお持ちですね!

圭子に追い出されてしまう若い女中を演じていたのがなんとあの小林幸子さんです! たしかによく見ると面影があります!!

団時朗さんと平泉成さん

この映画にはノンクレジットながら『帰ってきたウルトラマン』で主人公の郷秀樹を演じた団時朗さんと今や大物俳優となられた平泉成さんが出演されています。

まず団時朗さんですが、塩沢が圭子のヒモだった健次を組み伏せたあとに街を歩いているシーンで後ろに映っています。 ほぼエキストラですが日本人離れしたスタイルに堀りの深い顔でめちゃくちゃ目立ってます(笑) 20秒ほどフレームに入っていました。

続いて平泉成さんですが、東都建設のパーティーでスピーチを終えた大和田の元へ茂子が歩み寄ろうとする際、画面右側のすぐ隣に立っている蝶ネクタイの若者がそうです。

観賞の際は是非探してみてくださいね!!

それでは!!

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