[感想・解説]Xファイル シーズン2 第20話『サーカス』

Truth is out there!!

こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です!!

今回はサーカス団員が多く暮らすまちで起こった謎の連続殺人のお話です!!

  • 監督:キム・マナーズ
  • 脚本:ダリン・モーガン
  • 原題:『Humbag』

おのまとぺ的評価

  • おススメ度 ★★★★☆ 話の展開がおもしろい!
  • グロ度 ★★★★☆ グロテスクな描写があります
  • 謎度 ★★☆☆☆ 犯人よりも謎な人が・・・笑
  • ホラー度 ★★★★☆ 超常現象ではなくとも結構怖いですね
  • コミカル度 ★★★★☆ ストーリーはシリアスですが、コミカルなパートがちりばめられています!
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登場人物

  • フォックス・モルダー捜査官(デビッド・ドゥコブニー):FBIの特別捜査官。 局内では変人扱いされているが、非常に優秀な捜査官。
  • ダナ・スカリー捜査官(ジリアン・アンダーソン):FBIの特別捜査官。 医師の資格を持っている。 モルダーの相棒。
  • ジェームス・ハミルトン保安官(ウェイン・グレイス):町の保安官でモルダーとスカリーに捜査協力する。 過去に秘密がある。
  • ドクター・ブロックヘッド(ジム・ローズ)芸人で体に杭を打ち込むなど、体と痛みを自在にコントロールする術を身に着けている。
  • コナンドラム(ジ・エニグマ)全身にジグソーパズルのタトゥーを入れたサーカスのメンバー。 なんでも食べてしまう。
  • ナット(マイケル・アンダーソン):ガルフ・ブリーズ トレーラーモーテルのマネージャー。 大学出でホテル経営の資格を持つが、皮肉屋である。
  • ラニー(ヴィンセント・スキャヴェリ):元サーカス団員で現在はホテルの案内係。 腹部に手足のついた大きな腫瘍がある。
  • ジェラルド・グレーズブルック(ジョン・ペイン):魚鱗癬という皮膚病を患っており、その見た目を活かしてワニ男として芸人をやっていた。 自宅のプールで殺害される。

あらすじ

フロリダ州ギブソントンでサーカスの一員だったジェラルド・グレーズブルックが自宅のプールで殺害された。 凶器は不明で、内臓などを抜き取られた様子はなかった。 モルダーの調べでは類似した事件が28年間で48件も起こっていた。 モルダーは過去の類似した事件の現場に残された足跡から、現地に伝わるフィジー人魚が事件に関わっていると睨んだ。

普通とは異なる見た目で生まれたがために、独自のコミュニティを築いて暮らしている人々が登場人物となっているエピソードでした。

散りばめられたユーモア

 このエピソードは先天的な障害と差別がベースに置かれているので、テーマとしてはかなり重いものになります。 しかし、ストーリーの重さを軽減するためにユーモアが随所にちりばめられているところが演出の妙と言えます。 その中から気に入ったものをいくつかご紹介します。

  • 朝のトレーラーでガウンはだけて少し露わになっていた胸を隠すと、もう一方のラニーは露わになっていた腹部の腫瘍を恥ずかしそうに隠す
  • スカリーがコオロギを食べるフリをするトリックを披露すると、モルダーは手から釘を出すトリックを披露し『素人だから拍手はいらないよ』と言ってその場を去る
  • ハゲて犬男を廃業したのに、体だけはまだ毛深い
  • 結局お前が食うんかい
  • お前しゃべるんかい

特に最後の2つは展開の意外性にもなっていて印象にのこりました笑 あんな形でケリがつくエピソードも珍しいので面白かったです。 というかあの人が全部持ってっちゃったな笑

差別や偏見というテーマ

 劇中のセリフで直接的に『外見による差別はいけない』という言及はありますが、振り返ってみるとストーリーそのものにはそこまでのメッセージ性がある感じはしませんでした。 それよりもむしろサーカスの人々やナットを自然に描くことで、それらの人々を当然の存在として表現しているように感じました。 一方でモルダーとスカリーは偏見に基づいて操作を行い、方向性を見誤ったりします。 ちょっと遠回しな表現で偏見への否定を伝えていたのかもしれませんね。

事件の発生

 魚鱗癬という病気のために皮膚がうろこ状になっていたジェラルド・グレースブルックは、夜になってもプールで遊んでいる息子たちにこっそり近づいて驚かせた。 息子たちは父の帰りを喜んだが、もう寝る時間でありジェラルドは彼らを家へと帰した。 その後ひとりプールに浮かんでリラックスしていたジェラルドだったが、何者かがプールに忍び込み、水中から彼に近づいて殺害する。

 モルダーはこの殺人事件を他の事件と関連した連続殺人事件であると判断した。 凶器が特定できず、内臓などを抜かれた様子がないという点が類似した事件が、過去28年で48件も発生していた。

捜査開始

 モルダーとスカリーは現地へと赴き、ジェラルドの葬儀に出席した。 参列者は身体的に障害を持ち、ユニークな容姿をした者がほとんどであった。 というのもこの町はかつて全米を巡業していたサーカス団がシーズンオフを過ごすために作った町だったので、住民の多くがサーカス団員や芸人だったのである。 スカリーは容姿を理由に社会から阻害されたことに対する世間への恨みが動機になっていると推理したが、地元の保安官のジェームスは『容姿で人を判断してはならない』と戒める。

 モルダーとスカリーはレストランのメニューに描かれた謎のモンスターの絵が気になり、描いた地元のアーティスト、ヘプキャット・ヘルムに会いに行く。 彼曰くそれはフィージー人魚だという。 大昔にサーカス団のバーナムが猿の死骸を使ってこしらえた人魚の偽物であった。 そして、宣伝にはあせて『人魚のニセモノ』と銘打ったところ、却ってあふれんばかりの観客が訪れたという。

 モルダーは類似事件の現場に残された猿の足跡から事件にフィージー人魚が絡んでいると睨んだ。

 宿泊のためトレーラー・モーテルに向かったモルダーは受付にいた小柄な男に何気なくサーカスで働いていたか尋ねるが、見た目で判断したことに強い反発を受ける。 彼は大学でホテル経営の資格も取った、れっきとしたマネージャーであった。 部屋への案内はラニーという元サーカス団員が受け持っていた。 彼は腹部に大きな腫瘍がありそこから本人のものとは別に腕と足が生えているという容姿をしていた。

第2の事件

 翌朝、保安官はモルダーとスカリーにホプキャット・ヘルムが殺害されたと伝える。 現場へ向かうと玄関が空いているにも関わらず犯人は小さな窓から侵入しており、窓の外側に血液が付着していた。 これは犯人は殺害前から血濡れていたことを意味する。

 二人は芸人たちの宿泊するトレーラーの停泊地に向かうと、そこではドクターブロックヘッドが逆さづりの状態で拘束衣から脱出する練習をしていた。 好タイムをたたき出した彼は上機嫌だったが、モルダーがトリックという単語を口にすると苛立ちも露わにそれを否定する。 レバノンで体得した体と痛みを自由に操る秘術だというのだ。 そして目の前で自分の鼻に釘を打ち込んで見せた。 モルダーはペンチでその釘を引き抜かせてもらうと、横にあった水がめの中からコナンドラムが飛び出してくる。 ブロックヘッド曰く、彼は人間ピラニアでなんでも食べてしまうらしい。 また全身にジグソーパズルのタトゥーがあり、どんなときも一切口を利かないという。

正体の発覚

  それは窓に付着した血とブロックヘッドの血を照合するためであった。照合の結果、ブロックヘッドの血は窓に付いた血と同じO型であることがわかり、またイエメン出身というのも嘘でミルウォーキーの出であった。 またスカリーの調査によりハミルトン保安官が過去にジムジムという名前で犬男として見世物小屋で芸人をやっていたことが明らかになった。 このことにより二人は保安官の関与を疑い始める。

 夜中にハミルトンの家に向かった二人は、こんな時間にも関わらずひとり庭に穴を掘るハミルトンを発見する。 彼は穴を掘ったあとナイフで何かをするとまた土を埋め戻した。

 モルダーは何を埋めたのか確かめるため庭を掘り起こすが、ただ単にナイフで半分に切ったジャガイモを埋めていただけだった。 満月の夜にイモで手をこすってそれを埋めると治るという民間療法のためであった。 また、犬男であった過去を問いただすと特に隠すこともなく認め、また自身の頭が薄くなってしまったため廃業したと教えた。 

さらなる犠牲者

 モーテルの受付にいたナットのもとをコナンドラムが訪れた。 家賃を支払うための小切手を渡すためだった。 ちなみに小切手にはブロックヘッドの名前もあります。 同居?

 律儀に家賃を前払いするコナンドラムに感心するナットだったが、その直後犬用の出入り口から侵入してきた化け物によって殺害されてしまう。

 トレーラーで寝ていたスカリーはラニーからナットが死んだと聞かされる。 現場のモーテルの受付は窓もドアも内側からロックされていたため、侵入経路は犬用の小さな扉しかなかった。 こんなことができるのは奇術師だけであり、また被害者の手にブロックヘッドのピンが刺さっていたことから、モルダーは犯人がブロックヘッドであると判断した。 一方、現場に同席していたラニーは酒を飲んでいたこともあって、ナットの死に錯乱して暴れだしてしまう。 保安官はラニーをなだめ留置所に一晩置くことにした。

 二人がブロックヘッド連行のために自宅へ向かうと彼は胸部に無数の釣り針を刺すパフォーマンスの真っ最中であった。 スカリーが無理やり立たせて手錠をかけるが、お得意の脱出技で手錠を抜け逃走する。 しかし、外にいた保安官に一瞬で捕まってしまう。

 3人がブロックヘッドを保安官事務所へ連れて行くと、奥の留置所からラニーのうめき声が聞こえた。 スカリーが彼の腹部を確認すると腫瘍は消え、他の被害者と同じような傷跡が残されていた。 しかし、ラニーのキズは他の被害者と異なり出血がない。 スカリーの仮説ではあの腹部の腫瘍は弟のレナードであり、分離して独自に行動ができるというのだ。 またラニーいわくレナードは誰かを殺害するつもりがあるわけでなく、自分ではない他の兄を探し求めているという。 スカリーは留置所の格子窓の外にレナードを見つけ、モルダーとともに追跡する。

決着

 ヘプキャット・ヘルムの作ったビックリ屋敷にレナードを追い詰めた二人だったが結局逃してしまい、トレーラーハウスでコナンドラムが襲われる。 トレーラーの横で倒れているコナンドラムを発見した二人は何か見たか聞くが、彼は相変わらず何も話さなかった。 モルダーとスカリーは引き続き捜索するためその場をさる。 残されたコナンドラムは満足そうにお腹をさするのだった。

 翌日、ブロックヘッドとコナンドラムは小さな車に山ほどの荷物を積み引っ越しの準備をしていた。 怪物が近くにいては安心して眠れないという。 スカリーはレナードは一人では長く生きられず、ラニーは肝硬変で午前中に亡くなったためもう安心だと伝えるが意思は変わらなかった。 モルダーは具合の悪そうなコナンドラムを心配するが、彼は『悪いものを食べただけさ』とだけ答え、車は足早にトレーラーパークを去った。 モルダーとスカリーは唖然としたまま顔を見合わせるのだった。

トリビア

  • バーナムは実在の興行師で映画『グレイテスト・ショーマン』でその成功が描かれている。
  • conundrum・・・なぞなぞ、難問

それでは!!

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