【あらすじ・ネタバレ・感想】『かげろう侍』(大映/1961年)

こんにちは、館主おのまとぺです!!

本日は市川雷蔵さんと中村玉緒さんが共演した推理時代劇『かげろう侍』のご紹介です~

作品情報

  • 公開日:1961年11月19日
  • 上映時間:89分
  • 製作:大映京都撮影所
  • 配給:大映

あらすじ

南町奉行所の同心の息子・弥十郎(市川雷蔵)は、未だ部屋住みの身でありながら特に出世欲もない上に、部類の女好きであちこちの女に手をだしては許嫁のお珠(中村玉緒)をやきもきさせていた。 ある日、奉行所に『虎鮫の寅吉』という夜盗が入り人別帳(戸籍帳みたいなもの)が盗まれた。 これは沼津藩のお家騒動に関わる重要な書類であった。 南町奉行所としてはこの寅吉が沼津藩に入るまでに、すなわち箱根の関所を超えるまでにひっとらえなければならない。 しかし、箱根までは小田原藩の領地で江戸の奉行が自由に捜査をすることができないので、無役の部屋住みである弥十郎に白羽の矢が立った。 ちょうど女との手切れ金を必要としていた弥十郎は仕方なく箱根へと立つのだった。

箱根では川の氾濫で旅人が足止めを食い、宿屋は人でごった返していた。 それにしても怪しげな客ばかりで犯人捜査は難航しそうであった。 さらにそこへ弥十郎の女癖を心配したお珠が女中として潜り込んできたのである。 弥十郎とお珠のコンビによる推理劇が箱根の宿屋で繰り広げられる。

スタッフ

  • 企画:税田武生
  • 原作:伊藤大輔
  • 脚色:松村正温
  • 監督:池広一夫
  • 撮影:武田千吉郎
  • 音楽:鏑木創
  • 美術:太田誠一
  • 照明:加藤博也
  • 録音:近藤正一
  • スチール:西地正満
  • 編集:谷口孝司

登場人物

  • 喜多弥十郎(市川雷蔵):南町奉行所同心の喜多弥兵衛の息子。 無役・部屋付きながら女好きであちこちの女に手を出しては許嫁のお珠を怒らせている。
  • お珠(中村玉緒):弥十郎の許嫁。 弥十郎の女癖の悪さを心配するあまり、弥十郎が捜査に出かけた先の箱根まで追いかけていき、宿の女中として捜査に潜り込む。
  • お千(浦路洋子):乳飲み子と体の不自由な舅を連れた宿の客。
  • お恵(近藤美恵子):弥十郎の隣部屋に泊まる妖艶な女。
  • お光(藤原礼子):楊枝屋の娘で弥十郎にたぶらかされたことを怒り高額な慰謝料を請求する。
  • 百崎(島田竜三):赤ん坊を連れた浪人。 小窪に殺人の疑いをかけられる。 かつて沼津藩に仕えていた。
  • 南三五兵衛(北原義郎):南町奉行所の役人。 小田原藩の領地内では江戸の役人が自由に動けないため、お光との手切れ金と引き換えに弥十郎に寅吉捕縛を依頼する。
  • 弥兵衛(小川虎之助): 弥十郎の父。 箱根行きを嫌がる弥十郎をしかりつけるが、自らも女好きだったことを五兵衛に暴露されてしまう。
  • 舅(林寛):体が不自由で、お千に連れられて湯治に向かう途中であった。
  • 小窪(堺駿二):小田原藩の与力で宿での事件の捜査にあたる。
  • お志保(若杉曜子):桐の間に泊まる旅の途中の飴屋の夫婦の片割れ。
  • 丑松(水原浩一):菊の間に泊まる金銀の仲買人。 
  • 巳之吉(寺島雄作):巡礼中に足止めを食った宗教信者。 廊下を歩き回っては太鼓を鳴らしている。 仁助は連れ。
  • 須賀半九郎(伊達三郎):コワモテの浪人風の男。 宿での最初の犠牲者となる。
  • 万吉(横山文彦):小間物屋の夫婦の片割れ。 妻はお島。
  • 六平(藤川準):宿に泊まっている傘屋。
  • 薬屋茂兵衛(志賀明):宿に泊まっている富山の薬屋。
  • 金三(沖時男): 桐の間に泊まる旅の途中の飴屋の夫婦の片割れ。
  • 竹造(安田祥郎):無職の渡世人。 おちかは連れ。
  • 佐助(愛原光一): 巡礼中に足止めを食った宗教信者。 廊下を歩き回っては太鼓を鳴らしている。 巳之吉は連れ。
  • お島(滝のぼる): 小間物屋の夫婦の片割れ。  夫は万吉。
  • 清吉(大辻伺郎)
  • お鯉(浜世津子)
  • 半三(木村玄)
  • 日下(松岡良樹)
  • 太十(寺島貢)
  • 梶(宮坊太郎)
  • お時(井上明子)
  • 仁助(大杉潤)
  • 佐藤半之丞(市川謹也)
  • 三平(玉置一恵)

感想

市川雷蔵さん、中村玉緒さんのコンビによる推理コメディです。 2人のやりとりが面白く、 軽快なテンポで進んでいく娯楽作品でした。

川の増水すると旅人が足止めをされて、しばらく宿に泊まって渡し船の再開を待たなければならないという当時の時代背景をうまく活かし、もうすぐ犯人が出立してしまうというタイムリミットを設けることで作品にスピード感が出ています。 後半にはそれぞれの登場人物がどうして怪しげな行動をしていたかの種明かしがあり、犯人以外の登場人物についてもちゃんと触れられているのがうれしいですね。 犯人についてもどんでん返しがありました。

犯行は基本的に夜間で人が歩くときしむ真っ暗な板張りの廊下であったり、湯気が満ちている小屋であったり、じめっとした雰囲気の場所が犯行現場となります。 同じ場所であるにも関わらず照明や撮り方によって、日中の明るくて賑やかな宿屋と打って変わって不穏な雰囲気になるのが落差があって効果的でした。 ちょっとホラーっぽさもありますね。

市川雷蔵さんは冒頭からモテモテの色男を演じています。 嫉妬する玉緒さんがカワイイです笑 奉行所での南三五兵衛(北原義郎さん)と父・弥兵衛(小川虎之助さん)とのやり取りも笑えます。 あと、堺駿二さんによる適当な与力もいいキャラクターでしたね~

それでは!!

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