【あらすじ・ネタバレ・感想】『座頭市千両首』(大映/1964年)

こんにちは、館主のおのまとぺでございます。

本日は座頭市シリーズの第6作『座頭市千両首』のご紹介です。

作品情報

  • 公開日:1964年3月14日
  • 上映時間:83分
  • 製作・配給:大映
  • 洋題:Zatoichi and the Chest of Gold

あらすじ

かつて座頭市は、飯岡と笹川の出入りにおいて斬らずともよい者を斬った。 その男の名は吉蔵という。 座頭市は墓参りの為、吉蔵の故郷・上州板倉村を訪ねた。 墓参りを終えた座頭市は明るい歌い声と太鼓の音を耳にする。 3年続きの凶作であえぐ中、年貢の千両が何とか工面できたことを祝う祭りであった。

年貢は数人の村の者によって代官所へ向けて運ばれていた。 しかし、その一行は3人の浪人と国定忠次の一味を名乗る者たちに前後から襲われ、そのはずみで千両箱は崖を転がり落ちてしまった。 国定一味を名乗った男たちが千両箱を追いかけて慌てて崖を駆け降りると、そこにはそれが千両箱であるとは知らずにどっかと腰掛けた座頭市の姿があった。 千両箱を取り戻そうと襲い掛かった3人はあっけなく斬られ、残りの者どもは這う這うの体で姿を消した。

年貢を運んでいた者たちのうち数名が逃げ延び村へたどり着いた。 彼らの証言で年貢の強奪が国定一家の仕業だと思い込んだ村人たちは、座頭市も仲間だと思い込み暴行を加える。 だが、座頭市は何とか彼らを説得し、国定忠次と己の潔白を証明するため赤城の山へと入っていった。

スタッフ

  • 企画:浅井昭三郎
  • 原作:子母沢寛
  • 脚本:浅井昭三郎、太田昭和
  • 監督:池広一夫
  • 撮影:宮川一夫
  • 録音:大谷巌
  • 音楽:斎藤一郎
  • 照明:中岡源権
  • 美術:西岡善信
  • 色彩技術:田中省三
  • 編集:谷口孝司
  • スチール:三浦康寛
  • 製作主任:小沢宏

キャスト

  • 座頭市:勝新太郎
  • 仙場十四郎:城健三朗
  • 女馬子お千代:坪内ミキ子
  • 国定忠治:島田正吾
  • お吟:長谷川待子
  • 百々村の紋次:天王寺虎之助
  • 代官松井軍太夫:植村謙二郎
  • 日光の円蔵:石黒達也
  • 板割の浅太郎:丹羽又三郎
  • 百姓岩次郎:片岡彦三郎
  • 庄屋清右衛門:林寛
  • 役名不明:伊達三郎
  • 役名不明:水原浩一

感想

オープニングから殺陣のオンパレードです。 スタッフロールが流れるあいだ宮川一夫さんによる独特のカメラワークで、闇の中にスポットライトで浮かび上がる座頭市が居合で次から次へと敵を斬っていく様が映されています。 座頭市の殺陣が観たいという方には映画の始めからガツンとくる演出です。 また、オープニング以外でも今作は殺陣が多いように感じます。 殺陣自体も結構な多数を相手に斬っていくので見応えがあります。 座頭市の殺陣を楽しみたい方は必見の作品です。

一方でストーリーは比較的ありがちなものです。 あまりハデなどんでん返しはありませんし、なんで出てきたのかよくわからない登場人物がいたり、ちょっとまとまりのない感じがしました。 国定忠次一向についての描写がいささか多すぎた感じもします。

カメラワーク

名匠宮川一夫さんがカメラマンを務められています。 それゆえ先述のオープニング含め、飯岡と笹川の出入りのシーンや座頭市と十四郎による銅銭斬り対決のシーンなど絶妙なカメラワークで臨場感を演出しています。 また座頭市が大勢が入り乱れる様なシーンでも市が埋もれてしまうことなく、作り手が何を観て欲しいのかわかりやすい映像になっていると思います。 このあたりに技を感じますね。 

若山富三郎さんとの共演

本作には主演の勝新太郎さんの実兄である若山富三郎さんが『城健三郎』の名前で出演されています。 座頭市シリーズでは既に『続・座頭市物語』で共演されていますが、あの時は劇中でも兄弟という設定で最後には兄弟の絆も描かれていました。 しかし、今回は銅銭斬りで負けた時には感情をあらわにしたり、決闘ではムチを使い座頭市を絡めとって引きずるなど、悪役然としたキャラクターを演じていました。

それでは、また。

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