こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です。
今回はフルハシ隊員にスポットライトを当てたウルトラセブン第24話『北へ還れ!』のレビューです!!
第24話『北へ還れ!』
登場怪獣:カナン星人、ウインダム
登場メカ・兵器:ポインター、ウルトラホーク1号、ウルトラホーク3号、大型旅客機、地球防衛軍ジェット機
脚本:市川森一
監督:満田かずほ(※禾に斉)
特殊技術:高野宏一
放送日:1968年3月17日
キャスト
- キリヤマ隊長(中山昭二):地球防衛軍のエースであるウルトラ警備隊の隊長。優しさと威厳をもって隊をまとめ上げている。『何っ!?』が口癖。
- モロボシ・ダン(森次晃嗣):ウルトラ警備隊の隊員。その正体はウルトラセブンである。ウルトラアイを用いて変身する。
- フルハシ隊員(石井伊吉):ウルトラ警備隊の隊員で地球防衛軍きっての肉体派。北海道出身。
- アマギ隊員(古谷敏):ウルトラ警備隊の隊員。名古屋出身。兵器開発に長けており、様々な武器を作り出す。爆弾にトラウマがある。
- ソガ隊員(阿知波信介):ウルトラ警備隊の隊員。九州出身。射撃の名手。ダンと行動を共にすることが多い。
- 友里アンヌ隊員(ひし美ゆり子):ウルトラ警備隊の隊員。隊の紅一点。普段はメディカルセンターに勤務している。
- ユキ(市川春代):フルハシ隊員の母親。フルハシ隊員に稼業の牧場を継がせるため状況してくる。
あらすじ
北極上空をパトロール中の地球防衛軍機が突如としてコントロールを失い、旅客機と衝突事故を起こした。 この前代未聞の事態にタケナカ参謀は徹底した調査を厳命する。 一方で嫌がるフルハシ隊員に家業の牧場を継がせようと母親が実家の北海道から東京へとやってくる。 フルハシは上京してきた母親から逃げ出すかの様にウルトラホーク3号で北極圏のパトロールに出るが、操縦不能に陥り旅客機と衝突コースに入ってしまう。 衝突を避けるためフルハシはホーク3号の時限自爆装置を起動した後、脱出を試みるが脱出装置が作動しなかった。 300名の乗客の命を救うため、自らの命を捨てる覚悟を決めたフルハシのもとに無線で母親の声が響く。 無線で呼びかける母親に対して明るく振る舞うフルハシであったがその目からは涙が流れていた。 時を同じくしてホーク1号でフルハシを追いかけていたダンは、北極圏で怪しげな電波を発する灯台を発見する。
[広告]感想・解説(ネタバレあり)
カナン星人はいったい何がしたかったんでしょう・・・。
『地球は我々のものだと思い知らせてやる』と豪語する割には犯行声明を出さないので誰の仕業なのか誰にもわからないんですよね。 それに世界の隅っこの北極圏で飛行機同士をぶつけても世界征服はできないと思うんだけどなぁ・・・。
また頼みの綱のウルトラセブンは絶対絶命のフルハシ隊員のことを忘れてしまったかの様に、敵に操られてしまったウインダムとプロレスをしたり、追いかけっこをして遊ぶ始末www これにはカナン星人も苦笑いだったでしょうw
さらにセブンはウインダムを正気に戻したと思ったら、もう一度灯台に向かわせる愚を犯します。 今度は操られこそしなかったものの頭にレーザーを食らってぶっ倒れてしまいます笑 もうね馬鹿なんじゃないかとwww 最悪の上司だな!!(´・ω・`)
ただ私自身が初代ウルトラマンの『撃つな!アラシ』の様な伊吉さんの泣けるエピソードに弱いみたいで最後はなんとなく感動して終わったんですが、よくよく思い返してみると結構煮え切らないエピソードだったなぁwww 実際この話でセブンが戦った巨大怪獣ってウインダムだけですよ!! まさかの身内!!www まあ、ある意味怪獣・宇宙人がほとんど登場しなくとも特撮番組が成り立つことを証明してみせた革命的な一話といえるかもしれません笑
おのまとぺ的には見どころもありました
ただ一方でおのまとぺ(゜∀。)的な見どころは結構ありました!!
まずサイレント時代からの大ベテラン女優、市川春代さん。 さすが演技にも佇まいにも説得力と迫力がありました。 ラストのワイプからお母さんがフルハシ隊員に話しかけるシーンは、仮に中途半端な演技でやったら視聴者が笑ってしまう様な画面構成になっているところを、さわやかな感動をしっかり与えて終われたのは市川さんの貫禄の演技があったからこそだと感じました。 しかし、お母さんはフルハシとは雰囲気が全く違いますね笑 当のフルハシ隊員役の石井伊吉(毒蝮三太夫)さんも『なんて、品のいい人なんだろう。オレの母親役としたら、ミスキャストじゃないか』と脚本の市川さんにこぼしていたそうです笑(※1)
そしてその市川春代さんと石井伊吉さんの無線でのやり取り。 ・・・これが泣かせますよねぇ。 フルハシ隊員が笑いながら涙を流すところなんか特に泣けます。 一件落着したあとホーク3号で夕焼けに照らされながら北海道上空をパトロール。 語りかけてくる母。 この回はまさに人間ドラマでした。 カナン星人さんはロケットごと撃ち落とされててくださいwww
あと喫茶店でフルハシ母と話すダンが子供みたいで非常にカワイイですね笑 『フルハシ隊員がウルトラ警備隊をやめるんですかぁ?』『そんなぁ!』とビックリしたりすねるような表情をして言います(´∀`) またそこにダンを呼びに来るショートカットのアンヌ隊員もカワイイ( *´艸`)
序盤で『仕事は仕事、俺の分を横取りされちゃこまるんだなぁ』というセリフがありましたが、最後でちゃんと伏線を回収するのもいいですね!! キリヤマ隊長から奇跡の生還を果たしたばかりのフルハシ隊員へ非常なパトロール命令かと思ったら行先がフルハシの故郷北海道。 その気遣いに気づいて徐々に笑顔になるフルハシ隊員の表情が素晴らしい!! 夕日に染まる北の大地、その上空を行くホーク3号。 『夕焼けがとってもきれいだ。もう一回りして帰る。』 少し望郷の念もにじませつつ、美しい映像とともにこのお話は終わりとなります。
トリビア・小ネタ
- 雪原のロケ地は北海道ではなく八ヶ岳(※2)フルハシ隊員の名前は『シゲル』
- 途中でテレビに映る相撲のシーンは、アナウンスの音声のために大鵬対柏戸の一番と思われていたが、この実況はスタッフが適当にあてたもので実際は違う一番であった。(※3)
- カナン星人という名称は聖書からの借用で、カナンはヨルダン川付近の地名(※4)
- カナン星人の首の左右から本来中に入れるタレの部分が出ている(※5)
- フルハシの母の名前はユキ、妹の名前はマナ(※6)
出典
※1、※3 小学館文庫『セブン セブン セブン アンヌ再び・・・』ひし美ゆり子
※2 スポーツ報知【ウルトラセブンを創った人たち】(13)休憩中に泥酔…セリフは交代(リンク無効)
※4、※5 洋泉社『別冊映画秘宝 ウルトラセブン研究読本』