【次のエピソード】第23話『南海の怒り』

こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です!

太平洋の悪魔の海域に巨大ダコが出現!!

第23話『南海の怒り』(1966年)

作品情報

登場怪獣:大ダコ スダール
登場メカ・兵器:第五太平丸

脚本:金城哲夫
監督:野長瀬三摩地
特殊技術:的場徹

放送日:1966年6月5日

キャスト

  • 万城目淳(佐原健二):星川航空のパイロット。正義感が強く人を助けるために命をかけることもある。
  • 江戸川由利子(桜井浩子):毎朝新報のカメラマン。上司から厚い信頼を置かれており、万城目とコンビを組んで事件を追う。
  • 戸川一平(西條康彦):星川航空の見習いパイロット。いつも万城目や由利子にからかわれている。
  • 関デスク(田島義文):毎日新報のデスク。百合子をおだてて太平洋の取材へ向かわせる。
  • 雄三(久保明):第五太平丸の船長の息子。初めての航海で大ダコに襲われ船と父親を亡くす。
  • アニタ(高橋紀子):コンパス島にすむ女性。漂着した雄三を介抱する。家族をスダールに奪われた過去がある。

あらすじ

 第五太平丸は漁場を目指して太平洋を進んでいたが、現地の住民たちから『悪魔の海域』と呼ばれているエリアで何かに衝突する。 舵を取っていた雄三は座礁を疑うが、太平洋の真ん中で何かに乗り上げるはずはなかった。 状況がつかめない船員たちが船倉から見たものは、足を伸ばして船を襲う巨大なタコだった。 そして第五太平丸はSOSを発信したのち消息を絶つ。

 

 この報に際して毎日新報社の関デスクは由利子と万城目と一平、そして通訳の南を現場からほど近いコンパス島へ送る。 だが彼らの前に船を襲った巨大なタコが上陸してくるのであった。

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感想(ネタバレあり)

今回は南の島が舞台です。 第2話で由利子がイーリヤン島に行ったという設定はありましたが、海外が舞台となるのはこのエピソードが初じゃないでしょうか?

特撮作品特有のニセ南国を楽しむ

 ただ、海外といっても東宝特撮作品でお馴染みのインチキ南国です(笑) どう見ても日本人の俳優たちが黒塗りをしてこの島の現地人を演じています。 なぜか男性はシャツに短パンを着ているのに、女性は布を巻いただけ、男の子は上半身裸という定番のルックスです。 今の時代にこれをやったら色々な方面から非難轟轟でしょうね・・・汗 しかし、当時は渡航が自由化されて間もないころで、外国人の俳優やエキストラを用意することは容易ではなかったそうです。 今となっては面妖に映るこの光景も、何とか海外の情緒を出そうという製作者たちの創意工夫の賜物だったわけです。

破壊神であり守護神でもある大ダコ

 大ダコは現地人からスダールと呼ばれ、人的被害を及ぼす恐るべき存在であると同時に外敵から島を守る守護神的な側面も持ち合わせた存在です。 しかし、父親と船を奪われた雄三にしてみれば憎むべき敵でしかありません。 また、日本からやってきた人間たちから見ても人間に害をなす怪獣でしかありません。 これは『この島のためにスダールを退治してあげようって言ってるのよ。』という由利子のセリフに端的に表れていますね。

 外部からやってきた人間が島民と対立しながらも協力して敵を倒し、最後には一組のカップルが生まれる・・・というストーリーの大筋には、どうしても脚本の金城哲夫さんの沖縄出身というバックグラウンドを重ねてしまいますが、それは考えすぎというものでしょうか?

あまり関係ありませんが、これはダイビング中に腕に絡みついてきたタコです。 何とも言えない不思議な感触で、くっつくと全然はなれません汗 小さいサイズのタコでも結構な力だったので、これのデカいのが襲ってきたらと思うとめちゃくちゃ怖いです笑

気合の入った特撮シーン

 今回は海のシーンがあったり大ダコが登場するということで特撮シーンにも気合が感じられます。 冒頭の大ダコが船を襲うシーンでは 少年が大ダコに追われるシーンでは背景にタコが合成され、本当に大ダコが追ってきているかの様な迫力があります。 大ダコのシーンを見ているとワイヤーで操演しているところと、本物のタコを合成してはめ込んでいるところが見受けられます。 ワイヤー操演の方のタコは体がテカテカと光っていて本物のタコの表面の様な生生しさがあります。 ちなみに操演用のタコは『フランケンシュタイン対地底怪獣』で使われたものを流用し、本物のタコのシーンは『キングコング対ゴジラ』の映像を流用したそうです。(※1)

 コンパス島の岩場のシーンは三浦半島の剣崎、コンパス島の村のシーンは東宝の生田オープンという撮影所で行われたそうです。(※2)

平成ガメラ第1作『ガメラ 大怪獣空中決戦』を彷彿とさせるシーン

 大ダコが船を襲ったシーンで舵を取っている雄三が『座礁だ!』と叫びますが、ここが『ガメラ 大怪獣空中決戦』を思い起こさせるんですよね。 『ガメラ 大怪獣空中決戦』では海竜丸というプルトニウム輸送船がガメラと接触した衝撃を座礁と勘違いしています。 また『Q』の『ここは太平洋のど真ん中だぞ!』というセリフと『ガメラ』の『水深は3000m以上あるんだぞ!』というセリフもちょっと近いものを感じます。 これだけならただの偶然なのですが、『ガメラ』の海竜丸の船長はなんと雄三と同じ久保明さんが演じているんですよね。 もしかしたら狙ったのかもしれませんね!

キャストについて

 さて、そんな特撮好きにとってはお馴染みの久保明さんですが、ゴジラシリーズをはじめとする東宝特撮作品に出演されています。 このエピソードでの相手は大ダコでしたが、のちに1970年公開の『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』で巨大イカと戦っています。 東宝特撮ファンとしては佐原健二さんと久保明さんが共演しているのはとても嬉しいですね(゚∀゚) ちなみにハヤタ役の候補にも挙がっていたそうです。

 インパクトのあるルックスで通訳の南役の演じた上田忠好さんは俳優座出身の俳優さんで、田中邦衛さんや露口茂さんと同期だったそうです。 ウルトラセブン第41話『水中からの挑戦』、ウルトラマンレオ第28話『日本名作民話シリーズ! 帰ってきたひげ船長! – 浦島太郎より』にも出演されています。

 島の娘アニタ役を演じた高橋紀子さんは東宝ニュータレント出身の女優さんで、クレージーキャッツ映画などの映画に出演しています。 また特撮作品ではフランケンシュタイン対地底怪獣に出演されていて、先述の『南海の大怪獣』にも出演予定でしたが、結婚して引退してしまったため高橋厚子さんが代わりに出演したそうです。 しかし、エキゾチックでとてもかわいらしい顔立ちをされた女優さんですね~

 コンパス島の酋長役を演じた石田茂樹さんは、東宝特撮作品に複数出演されていて、またウルトラQでは第2話『五郎とゴロー』、第28話『あけてくれ!』を含めた3エピソードに出演されています。

 タコに連れ去られてしまう大五太平丸船員役の荒木保夫さんは、俳優のみでなくCMディレクターとしても活躍された異色の俳優さんです。 『妖星ゴラス』『キングコング対ゴジラ』などの東宝特撮をはじめ、ウルトラQでは本エピソードに加えて第6話『育てよ! カメ』、第25話『悪魔ッ子』の計3エピソードに出演されています。

それでは!!

出展

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