[感想・解説]Xファイル シーズン1 第8話『氷』

こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です!!

今回は雪に閉ざされた極寒の研究施設が舞台となったソリッドシチュエーションスリラーです!

  • 監督:デヴィッド・ナッター
  • 脚本:グレン・モーガン、ジェイムス・ウォン
  • 原題:『Ice』

おのまとぺ的評価

  • おススメ度 ★★★★☆ 某映画の影響がかなり感じられます
  • グロ度 ★★★★☆ 寄生虫がぁぁぁぁ!!
  • 謎度 ★★★☆☆ 結局うやむやに・・・
  • ホラー度 ★★★★☆ 制限された環境で蔓延する疑心暗鬼!!
  • コミカル度 ★★☆☆☆ 変わり者のキャラクターもいます
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登場人物

  • フォックス・モルダー(デビッド・ドゥコブニー):FBI特別捜査官。局内では変人扱いされているが、非常に優秀な捜査官。
  • ダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン):FBI特別捜査官。医師の資格を持っているモルダーの相棒。
  • デニー・マーフィー博士(スティーヴ・ハイトナー)アイシー岬へ同行した科学者。サンディエゴ大学で地質学を教えている。昔のアメフトの試合中継の録音を未だに聞いている変わり者。
  • ホッジ博士(ザンダー・バークレー)アイシー岬へ同行した科学者。
  • ナンシー・ダ・シルヴァ博士(フェリシティ・ハフマン):アイシー岬へ同行した科学者。
  • ベアー(ジェフ・コーバー):モルダーたちをアイシー岬へと運んだパイロット。 モルダーが犬に襲われた際、助けに入って負傷してしまう。

あらすじ

アラスカ州アイシー岬で人類誕生の頃の太古の地球環境を調査していた北極アイスコア計画のメンバーが、動画で謎のメッセージを残して消息を絶つ。 『我々はもう別人だ・・・もう昔の我々ではない』 一体その言葉は何を意味するのか。 モルダーとスカリーは調査のためアラスカへと飛んだ。

感想※以下ネタバレあり

ミソロジーとは関わらない『今週のモンスター(Monster of the Week)』のエピソードでした。

雰囲気やシチュエーションは遊星からの物体Xに酷似しています。 雪で閉ざされた極寒の基地(物体Xの方は南極ですが汗)とかそこで壊滅してしまったチームとか誰が感染しているのかわからないところなどオマージュと言ってもいいかもしれません。 あと犬が絡んでいるのも似ていますね。

寄生虫について

今回登場した寄生虫は遊星からの物体Xとは異なり人間をグロテスクに変身させることはありません笑

この25万年前の氷の中に閉じ込められた寄生虫は、視床下部の分泌腺に取り付き人間や犬を狂暴化させます。 感染した犬に噛まれただけで伝染してしまい、ひとたび寄生されると数時間後には理性を失ってしまうほど症状の進行が早いというのも特徴です。 また感染すると一時的にアザはできるもののそれもしばらくすると消えてしまい感染者の特定が難しいという難点もあります。 さらに運よく感染者が分かっても物理的に寄生虫を取り除こうとすると、寄生虫が毒素を出し宿主を殺してしまうという厄介な能力を持っています。

こうなるともはやどうにもできない無敵の寄生虫かのように思えてしまいますが、この寄生虫は同種の他の個体と共存できないという特徴を持っていました。 なので同じ宿主の中に2匹の寄生虫が寄生すると、お互いに攻撃しあい双方とも死んでしまうという現象が起こります。 実際に犬で試したところ、寄生虫は死骸となって排泄され犬も正気を取り戻しました。

この寄生虫に関してはモルダーは地球外生命体だと推論を立てます。 いつも通りっちゃあいつも通りなんですが、一応今回は根拠がありました。 この寄生虫は太古の昔からアンモニアの氷の中で生き延びていた常識を凌駕する生物でした。 モルダー曰くある学説によれば気温の低い惑星にはアンモニアを必要とする生物がいる可能性があるんだとか。 またアイシー岬のあたりは隕石がよく落ちるエリアだったというのも根拠となっています。

疑心が疑心を呼ぶソリッドシチュエーションスリラー

寄生虫を研究したいモルダーと医学者の観点から感染の拡大を防ぐため駆除したいスカリーが衝突したり、犬に噛まれて寄生されたベアーが理性を失っていったり、それぞれのキャラクターの感情が分かりやすく描写されていました。 また何事にも疑り深いホッジ博士は、演じているザンダー・バークレーの好演もあってクセのあるキャラクターがうまく表現されています。 今回はモルダーが感染を疑われ捜査に加われないという状況下で、スカリーとこのホッジ博士が謎を解き明かしていきます。

結果、いちばんキャラクターが目立たなかったダ・シルヴァ博士が感染者だったという展開は、どんでん返しを狙ったストーリーだったのだと思います。 ただ、最後に生き残っていた人物が4人しかおらず、さらにそのうち2人はモルダーとスカリーなので除外できますし、そうなると感染者の候補が実質ホッジ博士とダ・シルヴァ博士の2人しかいませんでした。 またダ・シルヴァ博士がホッジ博士をそそのかすような言動をとっていたことから結末は予測しやすかったとと言えるかもしれません。

しかし、この脱出不能な状況下で寄生虫に感染する恐怖と感染者に殺されるかもしれないという恐怖が同時進行するストーリーは見ごたえがありました!

現実の寄生虫

サナダムシ(wikipediaより)

劇中で『吸盤があるところはサナダムシに似ている』とホッジ博士が発言していますが、サナダムシは画像の様な細長~い寄生虫で、視床下部ではなく通常は消化管に寄生するので容姿も生体も劇中の謎の寄生虫とは全くことなります。 またサナダムシは人間を終宿主とするものが多く、人間とともに長い時間を過ごすため宿主の健康をあまり害さないという特徴があります。 共生ではありませんが生き残るためには宿主が元気な方が都合がいいわけですね。

しかし、サナダムシの中には有鉤条虫やエキノコックスの様な人間を終宿主としない寄生虫も存在し、これらは人間の消化管内では十分に栄養を摂ることができないため、内臓を食い破って体内を移動してしまうそうです。 そして運悪く神経や脳を住処にされてしまうと様々な病気や障害を引き起こし最悪死に至ります・・・。 おそらく今回登場した寄生虫は宿主を殺し合わせるような特異な傾向を持つことから、人間を終宿主としない可能性がありますね。 となると一体どんな生き物を終宿主にするのでしょうか?

劇中では25万年前という言及がありましたので、この寄生虫が氷漬けになったのは地質時代でいうとチバニアン時代ということになります。 25万年前というととてつもなく古い時代のように思えますが、極めてゆっくりとした生物の進化を考えると実はそんなに大して昔というわけでもありません。 この時代から現代までに有名どころだとサーベルタイガーやマンモスなどが絶滅していますが、それぞれネコ科とゾウ科であり現代にも近い種族が生き残っている程度には進化が進んでいました。 なので現代の動物で中間宿主である人間を捕食する可能性のある動物、なおかつアラスカの極寒の地に住むものとなるとヒグマとシロクマになるんじゃないかと思います。

ヒグマの生息圏(wikipediaより)

上の画像は北米のヒグマの生息圏を示したものです。 これをみるとアラスカ全域に生息していることが分かります。

つづいてはシロクマ(ホッキョクグマ)ですがWWF(世界自然保護基金)のホームページによるとアラスカの一部にも生息しており、今回の舞台となったアイシー岬周辺にも生息が確認されています。

なお、ツキノワグマもアラスカに生息しているようですが、アイシー岬ほど北の方には生息していない様です。 また、その他肉食の生物としては猛禽類やシャチなどが生息していますが、どちらも人間を捕食する機会は少ないと思うので、これらは除外するとすればやはりクマが有力でしょうね!!

それでは!!

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