こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です!!
今回は超豪華キャストで制作された往年の名作西部劇『荒野の七人』を現代の豪華キャストでリメイクした『マグニフィセント・セブン』のレビューです!!
目次
作品情報
- 監督:アントワーン・フークア
- 脚本:ニック・ピゾラット、リチャードウェンク
- 原題:『The Magnificent Seven』
- 公開日:(米)2016年9月23日、(日)2017年1月27日
キャスト
- サム・チザム:デンゼル・ワシントン
- ジョシュ・ファラデー:クリス・プラット
- グッドナイト・ロビショー:イーサン・ホーク
- ビリー・ロックス:イ・ビョンホン
- バスケス:エマヌエル・ガルシア=ルルフォ
- ジャック・ホーン:ヴィンセント・ドノフリオ
- レッド・ハーベスト:マーティン・センズメアー
- エマ・カレン:ヘイリー・ベネット
- マシュー・カレン:マット・ボマー
- バーソロミュー・ボーグ:ピーター・サースガード
- テディQ:ルーク・グライムス
弱者のために戦うガンマンたち
金鉱山の横に位置するローズ・クリーク。 善良な農民たちが暮らす小さな町でしたが、鉱山の採掘権を持つバーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)が鉱山の独占とこの町の土地を狙って住民を追い出そうとしていました。 ボーグは非常に横暴かつ冷酷な実業家で部下を引き連れて住民たちが集まる教会に現れ、見せしめに何人かの町人を殺してしまいます。 夫がこの虐殺の犠牲者となってしまったエマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は、同じく住民のテディQ(ルーク・グライムス)とともに他の町を回って助っ人を捜しに回ります。 ある町でサム・チザム(デンゼル・ワシントン)という男が酒場で悪漢たちをあっという間に片づけるところを目撃し、村の悲惨な窮状を訴え全財産を差し出して助けを求めます。 チザムは相手がボーグであることを知ると強力を申し出て仲間を探し始めました。
あらすじとしてはこんな感じです。 いわゆる勧善懲悪もので古き良き西部劇のストーリーを踏襲していますね。 そして、オリジナルである『荒野の七人』と同じく、個性的な面々が集まります。 人を食ったような性格のジョッシュ・ファラデー(クリス・プラット)、南北戦争の英雄グッドナイト・ロビショー(イーサン・ホーク)、グッドナイトの相棒でナイフの名手ビリー・ロックス(イ・ビョンホン)、メキシコ人のおたずね者バスケス(マヌエル・ガルシア=ルルフォ)、インディアン300人狩りのジャック・ホーン(ヴィンセント・ドノフリオ)、コマンチ族の弓の名手レッド・ハーヴェスト(マーティン・センズメアー)、これにサム・チザムを加えて7人でボーグに立ち向かいます。 それぞれのキャラクターがしっかり立っており、またそのキャラクターにマッチした俳優陣が揃っていてキャスティングに関しては非常に良かったのではないかと思います。
また、7人のキャスティングだけでなく悪役のボーグ役ピーター・サースガードも非常にいいキャラクターを演じていました。 フライトプランでの悪役が特に記憶に残っているのですが、冷酷な若干サイコパス気味の悪役をやらせたらピカいちの俳優さんですね! ちょっと優しそうな風貌なのが余計怖いんですよね(;´Д`)
あとはエマ役のヘイリー・ベネットが超ステキですね~!! ボーグに夫を奪われながらもガンマンたちを集め、自らも銃を撮って戦う未亡人という役柄を魅力的に演じていました。 ちなみにヘイリーはイコライザーでもデンゼルと共演してますね~。
『荒野の七人』を踏襲した要素もたくさん
7人のガンマンが虐げられた小さな町を救うというコンセプトはオリジナルである『荒野の七人』(さらにオリジナルの『七人の侍』もそうですが)を踏襲したものになっています。 それ以外にもオマージュが散りばめられており、チザムの黒い衣装は明らかにクリス(ユル・ブリンナー)を意識したものですし、『礼は貰うが全財産はいらない』というセリフもオリジナルからの踏襲ですね。 ファラデーのする『建物から落ちた男』の逸話はオリジナルではヴィンが村の老人相手に披露しています。 お調子者で女好きなファラデーのキャラクターはヴィンをモデルにしています。 また、ビリーが早撃ち対決をナイフで制するシーンは、ブリット(ジェームズ・コバーン)のものを受け継いでいます。 その他リーの様にトラウマで銃が撃てないグッドナイトなど多くの要素が引き継がれています。
一方で『荒野の七人』から大きく変わっている部分もあります。 一番大きな差としては様々な人種がキャスティングされているというところでしょうか。 まず主演が黒人であるデンゼル・ワシントンですし、メキシコ人のマヌエル・ガルシア=ルルフォ、アジア人のイ・ビョンホン、ネイティブアメリカンの血を引くマーティン・センズメアーとポリコレに配慮したと思われるキャストになっています。 しかし、史実でも黒人ガンマンは結構な数が実在したそうなので、エンタメとしての西部時代の世界観よりもより史実に近いと言えます。 また当時、苦力(クーリー)という中国人労働者がアメリカに多数存在しました。
エマというキャラクターもマッチョイズム全開だったオリジナルから本作の方向性を大きく変えた存在です。 前作の村では若い女性は隠れているばかりで、ただただ男たちに守られる存在という様な描写でしたが、今回はエマが村人たちを戦う様に説得して助っ人を集め、本人もライフルを手に戦いに身を投じます。 その他の女性たちもライフルを持って戦っています。
激しい銃撃戦とバラエティ豊かな銃器
本作でメガホンを取ったアントワーン・フークワは『ザ・シューター/極大射程』や『エンド・オブ・ホワイトハウス』など銃撃戦の多い作品をいくつか監督しています。 どちらの作品も激しい銃撃戦を描いており、とにかく弾数を使うド派手さだけでなく、アングルやスロー再生などの手法で臨場感を演出しています。 本作でも村の中を人馬が入り乱れる乱戦をスピード感あふれる映像で描いています。
また劇中で登場する銃器もバラエティに富んでいて、コルトSAAやウィンチェスターM1873などの定番はもちろん、スプリングフィールドM1783トラップドアやスペンサーカービン、ヘンリーライフルなど当時すでに最新式ではなかった銃器も用いられており、かき集めた銃器で戦っている感じが演出されていました。
そして、一番目立っていたのがガトリングガンですね。 南北戦争でデビューを飾ったガトリングガンはいくつもの銃身を持ち、冷却を行いながら射撃できるため当時圧倒的な連射速度を誇っていました。 劇中でも圧倒的な攻撃力で主人公たちを圧倒しますが、現実にはあそこまでの力はありませんでした。 というのも、ガトリングガンが登場した当時のアメリカでは戦列歩兵式の戦闘がメインとなっており連射速度に優れた銃器というのはそれだけで脅威でしたが、その後歩兵運用が変化して兵隊が散開して戦う様になると、重い上に運用に人数が必要なガトリングガンはその利点を失ってしまいました。 なので本作の様にあちこちから敵が現れる様な環境は実は苦手な兵器なんですね。 また本作で登場したコルト1874ガトリングガンは使用弾薬が45-70というもので、村人が撃っているライフルと変わらない威力の弾薬です。 なので連射速度は速くともあそこまで建物をメチャクチャにブチ抜いて村全体を制圧できる様な力はないと思われます。 そこはフィクションですね。
西部劇入門編としてオススメ
西部劇といえばやはり全盛期は1950~1960年代くらいになるかと思いますが、当時の古い作品はいささかとっつきにくさがあると思います。 その点本作は映像もキレイで俳優陣も豪華ですし、西部劇の王道ともいえるストーリーなので西部劇入門編としてオススメできると思います。 もし本作が気にる様であれば、ぜひオリジナルの『荒野の七人』も観て頂きたいですね。 もしこういった王道西部劇がお好きな様であれば、ジョン・ウェインの主演作品なんかも楽しめるんじゃないかと思います。 もっと薄汚れたダークな感じのものがお好きであればクリント・イーストウッド主演の『許されざる者』やマカロニウエスタン作品(『荒野の用心棒』とか)がいいかもしれません。 またちょっと独特なタッチの西部劇としては『トゥルーグリット』や『ヘイトフル8』なんかもオススメです。 コメディがお好きであれば『サボテン・ブラザース』や『バンディダス』は結構笑えますのでぜひ。
それでは!!
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