【前のエピソード】第8話『狙われた街』

こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です!!

宇宙人とダンがちゃぶ台はさんであぐらをかいて会話をします笑 名シーン揃いのエピソードです!!

ウルトラセブン第8話『狙われた街』

登場怪獣:メトロン星人
登場メカ・兵器:ポインター、ウルトラガン、猟銃、リボルバー、ダブルバレルライフル

脚本:金城哲夫
監督:実相寺昭雄
特殊技術:的場徹

放送日:1967年11月19日

キャスト

  • キリヤマ隊長(中山昭二):地球防衛軍のエースであるウルトラ警備隊の隊長。優しさと威厳をもって隊をまとめ上げている。『何っ!?』が口癖。
  • モロボシ・ダン(森次晃嗣):ウルトラ警備隊の隊員。その正体はウルトラセブンである。ウルトラアイを用いて変身する。
  • フルハシ隊員(石井伊吉):ウルトラ警備隊の隊員で地球防衛軍きっての肉体派。北海道出身。
  • アマギ隊員(古谷敏):ウルトラ警備隊の隊員。名古屋出身。兵器開発に長けており、様々な武器を作り出す。爆弾にトラウマがある。
  • ソガ隊員(阿知波信介):ウルトラ警備隊の隊員。九州出身。射撃の名手。ダンと行動を共にすることが多い。
  • 友里アンヌ隊員(ひし美ゆり子):ウルトラ警備隊の隊員。隊の紅一点。普段はメディカルセンターに勤務している。

あらすじ

 

 北川町で謎の人身事故が多発していた。 また、タクシー運転手が突如乗客の女性を襲ったり、サラリーマンが銃砲店から奪ったライフルを半狂乱で乱射するなど謎の事件も頻繁に起こっていた。 ウルトラ警備隊のフルハシとソガはこの事件の調査を行っていたが、今度はこの2人が基地で突如暴れ始めてしまう。 彼らに共通していたのは突如暴れだししばらくすると突然気を失ってしまうこと、そして暴れ始める前にある場所で買ったタバコを喫煙していたということだった。

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感想・解説(ネタバレあり)

 今回は吸うと気がおかしくなって暴れ始めてしまうというタバコを町の自動販売気に仕込むという一種のテロの様な事件が起こります。 首謀者はたタコともイカともつかない個性的な見た目のメトロン星人。 あのダンとメトロン星人がちゃぶ台を挟んで話し合うという名シーンが生まれたエピソードです。 このエピソードはカーチェイスあり、銃撃戦あり、推理サスペンスありという超てんこ盛のエンタメ大作です! これだけでもすごいのに、実相寺アングルまで盛り込まれているのでフルコース料理の様な満足感がありますw

THE 実相寺というべき映像

 本エピソードの監督は実相寺昭雄監督です。 映像を見ればクレジットを観ていなくてもすぐわかるほど実相寺節の聞いた映像となっていました。 冒頭シーンでかなり引いたアングルから撮ってみたり、パトカーから降りる警官の足もとを撮ってみたりと『これ実相寺監督かな?』と思わせるアングルを連発、そして葬式のシーンでは次々と通りがかる人をダンの肩越しに撮影したシーンをみて『あ、やっぱり実相寺監督だな』と確信にいたりました笑

 タバコを吸って発狂してしまった銃撃犯の顔を煽りのドアップで撮ったところは狂気がにじみ出る様な映像になっていますね! そのすぐあとのウルトラ警備隊基地で隊員が4人並んでいるシーンなんかもまさに実相寺監督といった構図です。 壁から天井にかけて大きな円形の照明の入った穴が空いており、その中に4人の頭がジルエットで収まっているとても印象的なシーンになっています。 取調室のシーンではあえてかなり暗い照明にして陰鬱とした雰囲気を醸し出しています。 取調室以外でも逆光が多用されています。 メトロン星人の隠れ家の前にいるアンヌの後ろ指す夕日なんかもいい味をだしてますね~

 カーチェイスのシーンでも煽りのアングルを多用し、またカットを細かくつないでいくことでスピード感と緊張感をだしています。 フルハシ隊員が喫煙したあとに照明の色を変えることで、精神状態が正気から狂気に変化したことを表現しているのもわかりやすくていいですね!!

なにげに隊員それぞれにスポットが当たった名作

 このエピソードはもちろんメトロン星人という名物宇宙人を生み出し、ダンとちゃぶ台を挟んで話す名シーンで有名なわけですが、それ以外でも隊員それぞれの個性が表現されている点でも名エピソードといえます。 まずアンヌは父親の死んでしまった甥を迎えに行ったとき涙する優しさを見せた他、次々現れる患者に対応する医者として活躍しています。 フルハシは銃撃犯に対して猪突猛進に突っ込んで撃たれてしまいます。 またその後にはタバコを吸って発狂し、止めに入った隊員たちを弾き飛ばす怪力を見せます。 ソガもまた同じタバコを吸って発狂してしまいますが、暴れる前にまず銃に手を伸ばします。 ライフル犯に対応する際も抜群の射撃の腕前を披露しており、ソガがウルトラ警備隊随一の射撃の名手であるという印象を視聴者に植え付けていますね。 アマギはあまり目立ちませんが、取り押さえられたフルハシの頭を棒状の何かでポカポカ叩くというコミカルな動きを見せてくれますw

刑事ドラマの様な推理劇

 先述の通りこのエピソードでは特撮というジャンルの枠を超えた展開があり、カーチェイスや推理、取り調べシーンなど刑事ドラマ顔負けのサスペンスシーンが盛り込まれています。 ダンとアンヌがたばこの自販機を張り込むシーンなんか緊張感があっていいですね!

 また、新しい犠牲が出ないと捜査が進展しないというもどかしさが視聴者をストーリーに引き込みます!! ダンたちが気づくよりも先に視聴者の疑いがタバコに向くよううまく誘導するストーリーになっています。 ソガが自販機でタバコを買うシーンがちゃんと伏線として仕込まれているんですよね。

二つの『超』名シーン

 このエピソードでは2つの名シーンが産まれました。 まず一つ目は先ほどから何度も言及していますがちゃぶ台のシーンですね。 昔ながらの家屋でちゃぶ台を挟んであぐらをかく二人、でも二人とも宇宙人という不思議な世界観と、その渋い景色の向こう側に唐突に表れる白い宇宙船内部のコントラスト。 そんなに長いシーンではありませんがこれこそが半世紀以上の時を超えてもなお鮮烈に輝き続ける名シーンなのです。

 ちゃぶ台が本編の名シーンなら特撮の名シーンが夕日の中での決闘ですね! 宇宙船でダンを宇宙へ連れ去ることに失敗したメトロン星人は、巨大化して夕焼けに染まる町でセブンと対峙します。 画面手前の水面に映る姿や夕日をバックににらみ合うセブンとメトロン星人の構図は特撮の対決シーン史上もっとも美しい映像の一つと言っていいのではないかと思います。 また町を再現したミニチュアのセットの完成度もすばらしいです!

 この最後の対決の後に夕陽にズームしながら入るナレーションはとても皮肉が効いている名調子です。 『我々人類は今、宇宙人に狙われるほどお互いを信頼してはいませんから』 きっと脚本の金城さんの仕事でしょうね!

小ネタ・トリビア

  • 劇中で『人類の半分くらいがたばこを吸っている』というセリフがあるが、令和元年の段階で成人喫煙率は男性27.1%、女性7.6%まで低下している。
  • 葬式のシーンでアンヌが着用している喪服はウルトラマン第35話でフジ隊員が着用していたものだそう(※1)

それでは!!

出典

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