[感想・解説]ウルトラマン 第30話『まぼろしの雪山』

こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です!!

偏見に対する鋭い批判に金城節が光ります!

第30話『まぼろしの雪山』

登場怪獣:まぼろし怪獣ウー
登場メカ・兵器:ビートル、スパイダー、スーパーガン、猟銃

脚本:金城哲夫
監督:樋口祐三
特殊技術:高野宏一

放送日:1967年2月5日

あらすじ

 スキー客でにぎわう飯田山のゲレンデに一人のマタギが担ぎこまれる。 彼はいつも猟を邪魔してくる少女を懲らしめようと追いかけるうち、伝説の怪獣ウーが現れて山中で遭難しかけたのだという。 猟師仲間たちは彼の話に半信半疑であったが、飯田山周辺はスキー客で経済が成り立っているため怪獣騒ぎで客が寄り付かなくなれば破滅であった。 彼らは科特隊に調査を依頼することにした。 通報を受けて現場へと赴いたハヤタ、アラシ、イデの3隊員は飯田山を調査するうち一人の少女を見かける。 彼女こそ猟師の邪魔をしていた雪ん子と呼ばれる少女だった。 彼女は科特隊の調査も妨害しハヤタを負傷させるが、聞けば独りぼっちのみなしごで山の人々からはのけ者にされ迫害を受けているのだという。 少女と同じく母親を早くに亡くしたイデは同情を禁じえなかった。 翌日スキー客たちの前に突如ウーが姿を現す。 雪ん子の呼びかけで山へと帰っていったものの、その姿を目撃したスキー客たちは我先にとゲレンデを後にした。 さらに、山中に何者かが掘った落とし穴に酔った猟師がはまり凍死してしまう事件が起こる。 ついに忍耐の限界を迎えた漁師たちは少女を捕まえるため山へと入る。 追い詰められた雪ん子を守るかの様にウーが現れるが、同時に科特隊の攻撃が開始される。

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キャスト(ゲストのみ)

  • ゆき(富永幸子):飯田山に一人ですむ少女。付近の住民からのけ者にされている。
  • 田村(山本廉):飯田山の猟師。最初にウーを目撃する。
  • 秋田(近衛敏明):スキー客の減少を恐れ、科特隊にウーの退治を依頼する。

感想・解説(※ネタバレあり)

 金城脚本らしい人間の差別意識への批判を散りばめたエピソードです。 またラストもあまりスッキリとしたものではありません。 これも意図的なものなんじゃないかと思います。

 舞台は飯田山という雪山でスキー客による観光収入が地域を支えています。 かつてその雪山で遭難した母子がおり、母親は凍死していたものの娘だけが不思議なことに無傷で助かります。 以前は地元の老人が引き取って育てていたものの、その老人が亡くなると天涯孤独となり、まだ子供であるにもかかわらず一人で暮らしていくことになります。 地元の住民たちは彼女を『雪女の娘』として忌み嫌い、また動物たちのために猟の邪魔をしたことからさらに孤立していきました。 (でも、母親が雪女だったのなら凍死はしなかったんじゃないですかね・・・?) ウーはそんな少女を救うかの様に現れたため、少女の死んだ母親の魂が怪獣になったと思われています。

かなり後味の悪いラスト(ネタバレ注意!!)

このゆきという少女ですが、ラストで地元の猟師たちから逃れる途中で力尽きて雪の中に倒れ込んでしまいます。 時を同じくして山で暴れていたウーも消えてゆき、ウルトラマンもそれに気づいたのか攻撃の手を止め空へと姿を消します。 劇中では詳しく語られませんが、この少女はおそらく亡くなったということなのでしょう。

問題はこのあとです。 任務が完了しアラシとイデとともにビートルに乗ったハヤタは、『ゆきは山で元気に暮らしている』と嘘をつきます。 おそらく事実を知っていたのはウルトラマンだけで、ハヤタの嘘はイデへのやさしさだったのかもしれません。 そして、科特隊の面々は少女の安否を実際に確認せず帰路についてしまいます。 ゆきに共感していたイデですらも勝手な想像で結論をつけて笑顔で帰っていきます。 このラストシーンには強烈な違和感がありました。

一人の少女が迫害されついには息絶えてしまうという悲劇に科特隊は加担してしまったというのに、自分たちは意気揚々と雪山を後にしてしまったのです。 偏見と誤解で少女を追い詰めた大人たちには何の罰も下りませんでした。 問題を解決したというより、問題そのものを消滅させたにすぎないのです。 そしてあのラストののんきなBGMがさらに違和感を際立たせます。 これらの演出が意図的なものだとしたら流石としか言いようがありません。

『ひとり見捨てられた存在』をテーマにしているという点でジャミラのエピソードと共通点があるものの、ラストでのイデの態度が正反対なのは興味深いところですね。

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