【前のエピソード】第12話『ミイラの叫び』

こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です。

目からビームが出るミイラが登場します!!笑

ウルトラマン 第12話『ミイラの叫び』

登場怪獣:ミイラ怪獣ドドンゴ、ミイラ人間
登場メカ・兵器:スーパーガン、スパイダーショット、ビートル、バリアマシン

脚本:藤川桂介
監督:円谷一
特殊技術:円谷一

放送日:1966年10月2日

キャスト

  • ムラマツ隊長(小林昭二):科学特捜隊極東支部ムラマツ班の隊長。隊員からはキャップと呼ばれている。ときに優しくときに厳しく隊員たちをまとめる。
  • ハヤタ隊員(黒部進):科学特捜隊の隊員。任務中に赤い球体と衝突して落命するが、ウルトラマンと融合することで生還する。
  • アラシ隊員(石井伊吉):科学特捜隊の隊員。怪力の持ち主で射撃も名人級の腕前。しかし、直情的な側面もある。
  • イデ隊員(二瓶正也):科学特捜隊の隊員。お調子者だが兵器開発で右に出るものはいない。ザラブ成人によって操られてしまう。
  • フジ隊員(桜井浩子):科学特捜隊の隊員で紅一点。普段は本部で通信係についているが、現場にでることもある。入隊以来ほとんど休んでいない。

あらすじ

 ある洞窟から推定7,000年前のミイラが発見される。イワモト博士によれば7,000年前のものとは思えないほど状態がよく、調査のためひとまず科学センターへ運び込まれ安置されることとなった。しかし、部屋にあった実験機械がミイラの念力によって作動し電流が走り、ミイラが復活を遂げてしまう。息を吹き返したミイラは警備員を殺害してセンターを脱走し、さらに下水場の入り口で警官を2名殺害して行方をくらませてしまう。

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感想(ネタバレあり)

 今回はミイラ人間とドドンゴというサイズの異なる2体のモンスターが登場しました。 また全体的にモンスターたちに同情的な内容になっています。

ちょっと怪獣に同情したくなる内容

 人類の飽くことなき探求心はとどまることを知らず、地球上の遺跡という遺跡を発掘し多くの謎を解明してきました。 我々現代人も教育やエンターテイメントの場でその恩恵にあずかっていますし、遺跡の探検や発掘というのは多くの人が憧れる仕事だと思います。 しかし、今回のミイラは7000年も地中で安らかに眠っていたのに、突然現代に引っ張り出されてしまったわけですから可哀想は可哀想でしたね。 できることなら殺害することなくミイラ人間を捕獲できればよかったのでしょうが、脱走するときに4人の人間を殺害してしまっていたので科特隊も実力行使に出ざるを得なかったのでしょう。

 またドドンゴは主であるミイラ人間の危機に駆け付けようと復活しました。 この7000年越しの忠義心は侍の国・日本において美談ともなりうるテーマだったでしょう。 しかしながら、人間の攻撃でドドンゴは両目をつぶされてしまいます・・・。 ウルトラマンがとどめを刺すのをためらったのも頷けますね。 ミイラ人間、ドドンゴともに同情をさそう敵役でした。

科学者のエゴが垣間見えたイワモト博士

 一方、普段は科特隊の心強い味方であるイワモト博士ですが、今回に関しては人命が失われているにも関わらずミイラ男の生け捕りを優先したところに、科学者としてのエゴイズムが描かれていた様に思います。 最後の最後までミイラ人間とドドンゴの死を残念がっていたところは、『ゴジラ』の山根博士やウルトラQ 第3話『マンモスフラワー』の源田博士っぽいところがありました。

 ところでイワモト博士はビートルや宇宙ロケットを開発したり(第16話『科特隊宇宙へ』)、ペンシルロケットを開発したりしていますが、今回はミイラの発掘に携わっています・・・。 一体何が専門の科学者なんでしょうね?笑 そのうちオキシジェンデストロイヤーでも作り出しそうですw

小ネタ

  • 科学センターとして登場する建物は東京都水道局の長沢浄水場を使用
  • 劇中のセリフで登場する『座頭市』の第一作はウルトラマン放送の4年前の1962年公開され大ヒットとなった
  • 現状世界最古のミイラは自然にミイラとなったもので約1万年前(米ネバダ州スピリット洞窟)、人工ミイラで約7,000年前(チリ沿岸部)となっている

内容詳細

とある洞窟でミイラが発掘され科学特捜隊が現場へと駆け付けた。 発掘に当たっていたイワモト博士曰く壁画から推定して約7000年前のミイラだが、それにしては随分状態がいいので洞窟かミイラそのものに秘密があるかもしれないという。 たしかに7000前のミイラにしてはぱっちりお目目がルンルンだなぁ。 その後洞窟に入ったハヤタとアラシは壁面に爬虫類か何かの背中の様な壁画を発見するが大きすぎて何なのかはよくわからなかった。

発掘されたミイラは科特隊の警備のもとで科学センターへと運ばれ、いったんそこで安置されることとなった。 安置といっても全然関係ない実験をしている部屋の開いているスペースにとりあえず置いとこうぜ!みたいな感じで押し込まれる。 7000歳の老人にもっと敬意を払いなさい敬意を。 横たえられたミイラを見てアラシは『これが7,000年前の人間の姿か』とつぶやく。 いいえ、どう見ても違いますね、猿ですねこれは。

その夜近くにあった実験機器が勝手に動き出し、稲妻の様なものがミイラを打つ。 するとどういう仕掛けなんだかミイラの目が光り、7000年の眠りから目覚めて動き始めたのである! 7000年前の人類はどうやら電気で動いていたようだ!! 異変に気付いた警備員がブレーカーを落とすが、ミイラ人間によって絞殺されてしまう。 さらに駆け付けたもう一人の警備員には目からビームをお見舞いして始末。 7000年の寝起きにしては上々の滑り出しである。 二人目の警備員が何とか警報を発動したにも関わらず、ミイラ人間は行方をくらませてしまうのであった。

この知らせは科学特捜隊にも電話で伝えられる。 電話を取ったイデはほんの数秒の会話ののち『我々科学特捜隊は直ちに調査を開始します』と威勢よく返答するが、それってキャップに指示を仰がなきゃいけないのでは・・・?? 『ミイラが姿を消した』というイデに『ミイラは何者かに盗まれたとすべき』と突っかかるアラシ。 しかし、イデ曰く殺された警備員2人は明らかにミイラと格闘した形跡があり、下水場の入口で2人警官が殺されたという。 さすがイデ隊員はたった3秒くらい電話で話を聞いただけでここまでのディテールを把握できちゃうのである!!

一方そのころ下水場では警官の殺害現場の現場検証が行われていた。 殺害方法は解剖しないとわからないらしいので今回は絞殺ではない様だ。 ミイラ人間は警官を殺害したのちに鍵のかかった鉄の格子戸を怪力で破壊して、下水場の施設内へと逃げ込んだ様だった。 施設の出口は4つあり、すべてに警官を配置して万全の状態である。 科特隊が現場へ駆けつけるとそこではイワモト博士が待っていた。 科特隊に聞かれるまでもなくミイラが生き返った理由を説明し始める博士。 彼曰く、なんとミイラは7000年の間『死にながら生きていた』というのである。 一種の冬眠状態だったというわけだ。 

その会話が終わるのを待たず、下水処理場の近くにミイラ人間を追い詰めたとの報が入る。 急行しようとする科特隊の面々をイワモト博士が呼び止める。 なんとミイラはできるだけ生け捕りにしてほしいというのだ。 怪力で錠前を破壊し、警備員を絞殺したほか謎の方法で警官2人を殺害している怪物なのになかなか酷な要求でっせ博士。 それに『私がいくらスパイダーショットの名人でも滅多なことじゃ撃ちゃしませんよ』と俺様アピールを挟むのを忘れず答えるアラシはやっぱりアラシである。

ミイラ人間は地下道を逃走し続けるが、ついに待ち伏せしてた警官隊と科特隊によって取り囲まれる。 ミイラ人間に次々飛び掛かっては投げ飛ばされる警官隊。 彼らも生け捕りの指示を受けており発砲することが出来なかった。 しかし、ある若い警官がミイラ人間に弾き飛ばされたあと恐怖に駆られてついに発砲してしまう。 するとミイラ人間は目からビームを発射しその警官を殺害してしまう。 さらにほかの警官にも立て続けにビームを浴びせ二人殺害する。 これを見たキャップは生け捕りを諦め、アラシにスパイダーショットで撃つよう指示する。 アラシのスパイダーショットの直撃を受けてミイラ人間は絶命するが、時を同じくして発掘現場で怪獣ドドンゴが目を覚ます。 動きがかわいい。

下水場では科特隊の面々が動かなくなったミイラを眺めていた。 キャップは生け捕りに出来なかったことを悔いつつ、『お前を発掘さえしなかったらまだまだ眠りについていられたのに・・・』とつぶやく。 ハヤタは『こいつはきっと住処へ還ろうとしてたんですよ』と応じる。 イワモト博士がいなくてよかったw ここで科特隊にもドドンゴ出現の報告が入る。

フジ隊員も合流しビートルに乗り換えて現場へと急行する科特隊。 フジ隊員はミイラ人間がテレパシーでドドンゴを呼び覚ましたと推測する。 ハヤタはこれを聞いてドドンゴはミイラ人間を助けるために現れたのではないかと推測する。 そんなことはお構いなしに目からビームをだして暴れるドドンゴ。 ここで食い止めなければドドンゴがミイラ人間のいる東京へ向かうことは必至である。 アラシは地上へ降りて攻撃することを提案する。 そう、科学特捜隊は飛行機よりも個人携行兵器の方が火力が高いという不思議な組織なのである。 しかし、地上へ降りたところであの目から出るビームを喰らってはひとたまりもない。 そこで登場するのが天才イデ隊員の発明したバリアマシン。 これでドドンゴの怪光線に対抗しようというのである。

そしてこのバリアマシンを装備してドドンゴの前へと躍り出たアラシは、スパイダーショットで見事ドドンゴの片目を破壊することに成功する。 さらにドドンゴが残る片目で反撃しても、バリアマシンは怪光線を寄せ付けなかった。 やっぱりすごいぞイデ隊員。 しかし、このバリアマシンは光線は防げても物理的な飛来物は防げない様で、ドドンゴの怪光線が近くの岩を破壊した衝撃で炸裂したつぶてがアラシを襲って失神してしまう。 駆け付けたイデがスパイダーショットを拾いあげ、ドドンゴの残った片目を攻撃する。 ここでイデが『思い知ったか座頭市め』と満面の笑みで独り言。 令和の時代だとまずいセリフですが、放映時は昭和だから大丈夫!昭和だから!

両目を失ったドドンゴはめちゃくちゃに暴れ始め、今度はアラシのみならず救助に当たっていたイデまで危機に陥ってしまう。 キャップはハヤタにドドンゴの背後から攻撃するように指示する。 一人になる機会を得られたハヤタはウルトラマンへと変身する。

ウルトラマンはドドンゴの元へ飛来するといきなりロデオよろしく背中へ馬乗りになるが、ドドンゴが暴れて背中から振り落とされてしまう。 ドドンゴはちょっとお怒り気味に。 見知らぬ宇宙人が急に背中に飛び乗ってきたら誰でもイヤである。 というかイデとアラシが足元にいるのに遊ぶんじゃありません!

その後ウルトラマンはドドンゴとのプロレスをひとしきり楽しみ、仕上げのスペシウム光線をお見舞いしようとするが、両目を失ったドドンゴの痛々しい姿に一瞬逡巡する。 だが結局思い直してスペシウム光線でとどめを刺す。 しばらく身もだえたあと静かに息を引き取るドドンゴ・・・。 なんか今回の怪獣の最期は随分生々しい。 BGMもどこか物悲し気である。

場面は変わって気を失ったアラシのもとに集まっている科特隊のメンバー。 そこにイワモト博士が呑気に『アラシ君どうかしたんですか?』と質問。 さらには死闘を終えたばかりの科特隊に『ついに怪獣も死んでしまったね』などと言い出す。 ヤバい。ヤバいよイワモト博士。マッドサイエンティストだよ。空気を全く読めてないよ。 しかし、これを黙って聞き流す科特隊ではなく、フジ隊員が『発掘なんかしないで1万年でも2万年でも眠らせてあげればよかったのに』とイワモト博士に抜き身で切りかかるがごとき正論をブチかまします。 『こんなことになると初めからわかっていればね・・・。可哀想なことをしたよ。』と若干弱弱しく言い訳っぽいことを言うイワモト博士に、一抹の人間味が確認できて視聴者も一安心。

しかし、問題はこのあと。 イデ隊員が立ち上がると遠くの崖に立つハヤタを見ながら『おかしいな、アイツ本当にウルトラマンじゃないのかな・・・』とつぶやく。 やめなさい、まだシリーズの3分の1もきてない第12話ですよ。結論を急いではいけませんぞ笑

それでは!!

⇒『ミイラの叫び』をPrime Videoで見る

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