【前のエピソード】第14話『真珠貝防衛指令』

こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です。

真珠を食べるというセレブすぎる怪獣『ガマクジラ』の登場です!!

ウルトラマン 第14話『真珠貝防衛司令』

登場怪獣:汐吹き怪獣ガマクジラ
登場メカ・兵器:スーパーガン、スパイダーショット、ビートル、小型ビートル、小型ジェット噴射機(小型ジェット弾とも)

脚本:佐々木守
監督:実相寺昭雄
特殊技術:高野宏一

放送日:1966年10月16日

キャスト

  • ムラマツ隊長(小林昭二):科学特捜隊極東支部ムラマツ班の隊長。隊員からはキャップと呼ばれている。ときに優しくときに厳しく隊員たちをまとめる。
  • ハヤタ隊員(黒部進):科学特捜隊の隊員。任務中に赤い球体と衝突して落命するが、ウルトラマンと融合することで生還する。
  • アラシ隊員(石井伊吉):科学特捜隊の隊員。怪力の持ち主で射撃も名人級の腕前。しかし、直情的な側面もある。
  • イデ隊員(二瓶正也):科学特捜隊の隊員。お調子者だが兵器開発で右に出るものはいない。
  • フジ隊員(桜井浩子):科学特捜隊の隊員で紅一点。普段は本部で通信係についているが、現場にでることもある。入隊以来ほとんど休んでいない。

あらすじ

 ハヤタはフジ隊員とその弟のサトル君と航空ショーに訪れていた。 夢中になって航空機を眺めるサトル君であったが、突然頭の中に何者かの声が響き始める。 そしてその声が『面白いものを見せてやろう』と言った直後、飛行機ではなくタンカーが空中に姿を現す。 タンカーはしばらく空を進むと爆発してしまった。 その後、ハヤタ、フジ、サトル君の三人の行方が分からなくなってしまう。 科特隊の懸命の捜索にも関わらず行方はつかめなかったが、フジ隊員が突然街中に姿を現したとの報が入る。 しかし、安堵したのも束の間、フジ隊員は怪獣と変わらないほど巨大な姿となっていたのだ。

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感想・解説(ネタバレあり)

 ウルトラマンのスーツが新調され、奇才・実相寺昭雄監督が初めてウルトラマンに参加し、脚本の佐々木守氏も同じく初参加という新しいことづくしのエピソードでした。 今回は全編にわたってガマクジラの巨大が画面を占領しており、特撮パートにかなり力が入っていることがうかがえます。

今回はフジ隊員にスポットライト!!

 今回はフジ隊員の女性らしい一面がクローズアップされたストーリーになっています! 女性の心を虜にする真珠を食べる不届きな怪獣が現れたとあってフジ隊員は怒り心頭です!! かと思えば夜に真珠を反芻するガマクジラに懇願してみたり女心がかなり揺れ動いた様子でした汗 科特隊員とはいえうら若き女性ですもんね・・・。 なお、冒頭で真珠が誕生石であるというセリフがあるのでフジ隊員は6月生まれということがわかります。 

戦い方によっては最強になっていたかもしれないガマクジラ

 今回登場したのは全身がイボイボに覆われたガマクジラです。 真珠を食べるというパンダも真っ青の偏食ぶりで、経済性の悪さではゴルドンと並ぶほどの食費キングです。 真珠の先物は聞いたことがありませんが、存在したらガマクジラが出現したころは大荒れの相場だったでしょう笑

さて、このガマクジラですが間抜けな見た目とどうしようもない食生活に比べて、かなり強力な特性を持っています。 それは『攻撃を受けると順応して強化され次から効果がなくなる』というものです。 要は一度食らった攻撃はもう通用しないというわけです。 これ恐ろしいですよね・・・。 もし科特隊がお得意の大火力攻撃を繰り返していたら、ガマクジラはそのうちどんどん強化されて手に負えない存在になっていたでしょう汗 またウルトラマンも下手に光線技を繰り出していたら倒せなくなっていた可能性もあります。 なので今回は物理的に強力な打撃を加えて、一撃で粉々にするという戦法を取ったのでしょう。 そのため、このエピソードはウルトラマンの光線技なし、地上での戦闘もなしという珍しい回になっています。 

冒頭から炸裂する実相寺アングル

 このフジ隊員の独壇場ともいえるオープニングから実相寺監督らしい演出が炸裂しています! 宝飾店でのカウンター越しの会話で鏡を使ってみたり、車のホイールキャップにフジとイデを映してみたりと実に個性的な撮り方をしています。 またショーウインドーに鼻をくっつけるのも監督の支持だったとか笑 桜井さんもこれはあまり気乗りしなかった様ですが、現場ではそうもいっていられない事情があったそうで結局ショーウインドウに鼻をくっつけざるを得なかったそうです(※1)

 またラストの銀座を歩くシーンでは、本当に一般人が行き交っている銀座の街中を二人が歩き、その様子を遠くから撮影するという手法で作られたそうです。 なお、撮影中にたまたま通りかかった知り合いに声を掛けられたたものの、無視して歩くことで事なきを得たんだとか。(※2)

ウルトラマンが美肌に!?Bタイプのマスクが登場!!

 このエピソードからウルトラマンの顔が旧来のAタイプからBタイプに変わっています。 もともとウルトラマンの口の部分は稼働するように設計されており、FRPの土台の上にラテックスを塗りつけて作られていましたが、Bタイプからこの機能は廃されたため完全にFRPで作られています。 そのためAタイプで荒れがちだったお肌もツヤツヤに整い、若々しいウルトラマンに進化しています。

 しかし、このエピソードではほとんどウルトラマンが登場せず、最後の最後に飛行しているシーンのみ登場となっていて地上での活動は一切ありませんでした汗 しかも飛行シーンでは模型を使っている部分もあるので、Bタイプのお披露目としてはいささか寂しい登場だった様に思います・・・汗

日本の真珠は世界一?1967年はターニングポイントの年

 このエピソードでは真珠が大きく取り上げられています。 劇中では幻想的な照明とともに画面に花を添えています。 当時の日本ではナレーションでも言及があるように伊勢志摩の英虞湾や五ケ所湾で真珠の養殖が盛んにおこなわれており、最盛期には日本の養殖真珠が世界シェアの9割を担ったこともあったそうです。 しかし、なんの因果かこのウルトラマンが放映されていた1967年にミニスカートが大流行しファッションの傾向が変わっていったことで、真珠の需要が激減し業界は大きなダメージを被ったとか。

それでは!!

出典

  • ※1 『ウルトラマン研究読本』洋泉社 P.152より
  • ※2 『ウルトラマン青春記 フジ隊員の929日』小学館 第九章より
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