【感想】『ウインド・リバー』(2017年・米)

こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です!!

今回はアメリカのスリラー映画『ウインド・リバー』の感想です!!

映画レビュー

アメリカの田舎が舞台で、全編を通してとても閉塞感のある世界観でした。 一面雪に閉ざされた極寒の地、主人公の背負った過去、そして少女が犠牲となった凄惨な事件。 それらすべてがアメリカのへき地のインディアン居留地という特異な環境の中で混ざり合い、重くまとわりつく様な不穏な空気を醸し出しています。 レビューのために二回観ましたが、正直二回目の鑑賞は全く気が進みませんでした。 そのくらい精神的にキます。

音楽も決して派手なものはなく重く暗いものが多様されています。 ネイティブ・インディアンの言葉によるポエムリーディングの様なBGMだけというシーンもあります。 映像も音楽もキャストの演技もすべてが抑制的でありながら息が詰まるほど緊張感がありました。

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想像を絶する過酷な環境

日本人には想像もつかない多くの文化・習慣が描かれています。 冒頭から主人公が農場を襲うコヨーテを狙撃し、息子に銃の扱いの心得を教え、馬に乗れる様訓練します。 またワイオミングの極寒の山中という舞台も我々には想像もつかない様な要素を映画に与えています。 例えば、車も運転できない様な吹雪やピューマによる家畜の襲撃、さらに数十メートル走っただけで肺が凍り付いて死に至る様な寒さ・・・極限ですね。

主人公の一人であるコリー(ジェレミー・レナー)のトラッキングもアメリカの田舎ならではの技術でしょう。 もともとはネイティブ・アメリカンの技術と言われていますが、ハンティングでも使われており地面の足跡から折れた木の枝まで観察して獲物を追跡するスキルです。 映画の中で重要な役割を担っています。

インディアン居留地というのも日本人にはなじみの薄いものです。 その歴史はイギリスによる北アメリカへの入植までさかのぼり、簡単にいうとネイティブ・アメリカンの土地として保護されたエリアだそうです。 しかし、現在のアメリカ政府としてはこの居留地をなくしていく意向を持っており、実際同化政策の中で徐々に縮小されている現実があるんだそうです。 それもあってが外部のアメリカ人との間に軋轢があり、居留地のネイティブ・アメリカンは白人によい感情を持っていなません。 実際FBIから派遣されてきたジェーンを犠牲者の両親は歓迎していません。 また地域の不良グループも壁に『カウボーイを殺すやつがヒーロー』などと落書きをするなど、白人に悪感情を抱く者も少なくないのでしょうね。

またこのインディアン居留地はアメリカ政府の持ち物なので州警察の権限が及びません。 なので居留地の警察官がいるのですが、東京都の4倍以上の面積があるこの居留地には6人しか警察官がいません!!んなアホな!! ただし、殺人事件となるとFBIの管轄とる法律があるのでジェーンが派遣されてくるわけですね。 途中で検視の結果殺人ではないと結論が出そうになったとき、ジェーンがなんとか隠そうとしたのはそういった理由があるわけです。

このウインドリバー居留地に6人しか警察官がいなかったのは現実の話で治安の悪さに関してはメディアからも問題しされていました。 特に薬物問題がはびこっており、2009年には13~15歳の少女が薬物によって死亡する事件が起こっています。

リアルな銃撃戦の描写

本作の銃撃戦には『主人公だけは被弾しない』という映画でお約束のご都合展開はありません。 主人公の一人であるジェーンは、ある時は顔にペッパースプレーをかけられて目がよく見えない状態で容疑者宅へ突入し、またあるときはショットガンの銃撃を受けて這いずりながら死に物狂いで発砲します。 一方のコリーこそ一度も危なげなシーンはないものの、これは長年のハンターとしての経験が圧倒的なアドバンテージとして働いている背景があります。 『人は撃たれてもすぐには死なない』という現実も映画の中で描かれています。 映画でしか銃撃戦を見たことのない人間には極めて新鮮で残酷な描写です。

また、コリーが弾薬を家でリローディング(薬きょうを再利用して再度弾薬として使用できる様にする作業)もとても詳細に描かれていて興味深いところです。 コリーが装備している銃器も印象的でシルバーのレバーアクションにシングルアクションのリボルバーといういかにもカウボーイの様な得物を携えています。 このレバーアクションライフルは映画もクライマックスで圧倒的な力を見せつけますので必見です。

精神的に来るけど最後はスッキリの良作

最後に犯人が吐露しますがその犯行の動機は雪と静けさでした。 あたり一面雪だらけで何もない、そんなへき地に長く生活することで人の感覚は狂っていくのでしょう。 しかし、だからといって当然レイプが許されるわけでもないし、犯行は卑劣そのものでした。 捜査の過程で浮かび上がってくる事実も胸糞の悪者ばかりで映画が進んでいくについれ観るものの心を重くしていきます。 しかし、その始末はわれらがジェレミー・レナーがしっかりつけてくれます。 こういったリアルなタッチの映画はバッドエンドだったりクリフハンガーのものなんかもよくありますが、本作はきっちり落とし前を付けます。 そういった側面から考えるとある意味西部劇といえるのかもしれません。 何度も観たいと思うようなタイプの作品ではありませんが、そう思わせるのは監督の描写が見事だからであって作品の出来とは全く関係ありません。 まだ観たことのない方にはぜひ鑑賞をオススメしたい作品です!!

キャストについて

もともとコリー役にはクリス・パインがキャスティングされていたそうです。 しかし、諸般の事情で降板しジェレミー・レナーがキャスティングされました。 結果的にこれは大成功だと思います。 あのタフガイっぷりと優しさと厳しさを兼ね備えた雰囲気はジェレミー・レナーならではのものだと思います。 厳しい雪山の狩人という役どころ見事に演じていました。 また、『SWAT』、『ボーン・レガシー』、『アベンジャーズ』などに出演したジェレミーにとっては銃の扱いなどお手の物でとてもかっこよかったですねぇ。

ジェーン役のエリザベス・オルセンも都会から来た若く熱意のあるFBI捜査官を好演しており、ガンファイトのシーンもヒーローの様な銃撃戦ではなく、自身も被弾しながら必死で戦う捜査官をリアルに演じていました。 オルセン姉妹としての名前が先行していた彼女ですが、その実力は折り紙付きの様です。 そういえばジェレミーとはアベンジャーズで共演してるんですね。

あとはナタリーの彼氏のマット役でジョン・バーンサルが出演しています。 どんどんキャリアを重ねていますね!! 劇中ではムッキムキの見事な筋肉を披露しています。 本作の監督であるテイラー・シェリダンが脚本を担当したの『ボーダーライン』にも出演していたので、今後シェリダン作品にまたキャスティングされるかもしれません。

レビューは以上となります。 内容は重いですが見所の多い映画ですので未見の方はぜひ観てみてください!!

それでは!!

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