【映画レビュー】『007 ドクター・ノオ』(1962年)

こんにちは!!おのまとぺ(゜∀。)です。

本日ご紹介するのは、007シリーズ第1作である『007 ドクター・ノオ』です!!

今や誰でも知っているスーパーヒーロー、ジェームス・ボンドの銀幕デビュー作ですね(`・ω・´)  公開当時は『007は殺しの番号』という邦題で公開されていたそうです。 ふるい邦題も味があっていいですね!

作品情報

  • 公開日:1963/6/1(日本)
  • 上映時間:105分
  • 配給:ユナイテッド・アーティスツ

あらすじ

時代は冷戦の真っ只中。 ジャマイカに展開していた英国の諜報員ストラングウェイズとその秘書が突如消息を絶つ。 彼らはアメリカのケープ・カナベラルに向けて発信されていた謎の妨害電波の正体を探っている最中であった。

この疾走を調査するために極秘でジャマイカへ向かうジェームス・ボンドだったが、どこかから情報が洩れて調査中の彼自身も命を狙われてしまう。 CIAのフェリックスライターと協力して調査を進める中で『クラブ・キー』という島が怪しいと睨み、ボンドは案内役のクオレルと共に上陸する。 しかしその島は生きて帰った者のいない『ドクター・ノオ』の支配する島だった。

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作品内容について(※ネタバレあり!!)

本作が公開された1962年といえば冷戦真っ只中。 10月にはキューバ危機が起こり第3次世界大戦が現実になりかけていた年です。 西と東に分かれた世界は今よりだいぶ窮屈だったんじゃないでしょうか?

またこの時代はポップカルチャーが花開いた時代としても知られています。 特にこの1962年という年は、ビートルズが『ラブ・ミー・ドゥー』でデビューを飾り、ローリング・ストーンズがマーキークラブで初のギグを行った年でもありますね。 (余談ですが私の好きな映画『ニッポン無責任時代』もこの年の公開です(・∀・)) 私は残念ながらこの時代には生まれてませんが、タイムマシンができたら是非行ってみたい時代です!!

さて映画の方ですが、オープニングから実に素晴らしい!!

横に歩いていくボンドの姿を、銃口が追うあの定番シークエンスで映画が始まります。 画面右からボンドが歩いてきて、中央でバッと拳銃を抜き画面に向かって発砲!かっこいいですよね、このOP(`・ω・´)

以前海外に留学していた時、何人かの友人とジェスチャーをし合って、映画名を当てるというクイズをやったのですが、私がこのOPを真似たら中国の19歳の青年がすかさず『James Bond!!』と満面の笑みで答えてくれたのを思い出します。 やっぱり世界的に有名なんですねぇ・・・。

なお、このシーン、ショーンコネリーはちょっと飛ぶようにして体を回転させてますが、演じる俳優さんによって撃ち方がだいぶ変わるので比較してみるのも面白いかもしれません。(私はピアース・ブロスナンの撃ち方がスマートで好きです笑)

この後スタッフの名前が出てくるところで、幾何学模様が点滅したり移動したりする映像が流れます。 これまたサイケデリックな感じでとても印象に残るものです。 おしゃれの最先端であるロンドンのスタジオで制作されているだけあって、現在でも通用するとてもファッショナブルなOPではないでしょうか?

このOPの他にもシリーズで定番になっているものが第一作目にしてすでに登場しています。
いくつか紹介していきますね(´∀`)

定番①『シェイクしたウォッカ・マティーニ』

マティーニは本来ジンで作ってシェイクはせず混ぜるだけで供するそうです。 そこをウォッカで作ってシェイクしろというのがウケたそうですよ。 まぁ、wikiの受け売りなんですが笑 これ以降の作品でもボンドはバーに行っては同じものを注文しています。

定番②『ワルサーPPK』

それまでベレッタM1934を使用していたボンドですが、以前の任務中に不発を起こし、命が危険にさらされたとのことで、上司のMからワルサーPPKを半ば強制的に支給されます。 それでも箱の下に隠してベレッタをもっていこうとするボンドがお茶目です(`・ω・´)

ちなみに、Mが『CIAも使っている』とボンドに言いますが、そのあと登場するCIAの諜報員フェリックス・ライターがボンドに突き付ける銃はワルサーPPKではなく、少し大型のワルサーPPです(;´Д`)笑

その前の空港から車で移動するシーンで、ボンドが敵のスパイだった運転手に突き付けているのもPPKではなくPPですね汗

定番③『スペクター』

ドクターノオ以降の作品でボンドの宿敵となる犯罪組織です。 本作品では組織名だけの登場でその実態はほとんどわかりませんが、後々の作品で組織の首領であるブロフェルドが登場します。 2015年に公開された007作品でも出てきます、というかそもそもその映画のタイトルが『スペクター』でしたね笑

お気に入りのシーン

長寿シリーズの第一作というだけあって、その演出にも光るものがたくさんあります。

たとえば部屋のクローゼットの扉に、唾で髪の毛を張り付けたり、ブリーフケースのロックに粉を吹きかけ、誰かが触ったら指紋が残る様にしたり、といった細かなスパイらしさの演出は少年心をくすぐるものです。 僕も自室の扉に髪の毛を貼ってみたりしたのですが、くせっけなのですぐ落ちてしまいました笑

ホテルで毒グモに襲われるシーンでは映像と音楽を組み合わせた面白い演出がなされています。 寝ているところに近づいてきたクモを払い落としスリッパで叩き潰すシーンでは、ボンドが腕を降り下ろすタイミングと音楽を合わせるちょっとユーモラスな演出になっています。

これと似た様な演出が次作『ロシアより愛をこめて』の冒頭でも見られますね。

この毒グモのシーンのその他の演出も本当に見事だと思います。 肌の上をそろり、、、そろり、、、と進む毒グモと、それを迫真の表情で見つめるボンドの顔のアップを交互にいれ、ボンドの顔は画面に映るたびにどんどん汗ばんでいきます。 極めて動きの少ないシーンではありますが、すごい緊張感です。

ちなみにクモはガラスの上を歩かせて撮ったんでしょうか? コネリーの顔が映るシーンだけクモの動きが不自然ですね。

また、煙草に毒が仕込んであるとか、クオレルの船で文字盤にガイガーカウンターに反応するとか、007シリーズは本当に男心をくすぐるギミックが得意ですよね!! 大人でも真似したくなっちゃう笑

ミス・タローの家に到着した際、キスの後にタオルで口拭いてたり、抱擁しながら時計を見てたりボンドもいくら美女でも敵だとわかっている相手には油断はしないんですね。

おかしな点

これまた007シリーズの定番なんですが、007は大作でありながら結構大味なところがあり、矛盾していたり明らかに編集ミスをしているシーンが多々あります。 これを探すのも007の一つの楽しみとなっています。

ちなみにこれらの『ヘンテコシーン』は笑って気楽に楽しむべきもので、真顔で『これはおかしい』なんて批判するのは無粋というものです。

ボンドは武器商人?

前述の通り、ジェームス・ボンドの愛銃といえばワルサーPPKですね。 しかし、この映画をよく見ていると他にも色々使っているのがわかります。

まずジャマイカで敵の運転手に突き付けている銃は、上にも書いた通りワルサーPPという銃です。 まあ、PPKとは兄弟の様な銃ですのでこれはまだわかります。

今度はミス・タローの自宅で教授を待ち伏せするシーンでは・・・、

あれ?ブローニング1910だと・・・?

で、でもきっとPPKのサプレッサーが無くて、急きょ消音器つきのブローニングを調達したのかもしれませんからね!汗

次にクラブ・キーにてドラゴン戦車と戦闘になったときは、今度はガバメント撃っとる、、、。 もはや小型拳銃ですらないフルサイズのハンドガン; ま、おそらく教授の銃を奪ったんでしょ笑

でもその直後、ドクター・ノオの部下に銃を突きつけられてる時はワルサーPPに戻ってます。 もう何が何やら・・・(;´Д`)

と、こんな様に今作では007の銃として、ベレッタM1934、ワルサーPPK、ワルサーPP、ブローニングM1910、コルトガバメントの5丁が使用されています。 こんなに持って歩いて、まるで武器商人の様ですね笑

色々とおかしいミス・タロー宅での教授とのシーン

次はミス・タローの家で教授を待ち伏せするシーン。 教授はサプレッサー付きのコルトガバメントをドアの隙間からニュッと出して、ベッドへ向けて6発発砲します。 このとき、ガバメントのスライドが後退した状態(ホールドオープン)になっているので、弾切れであることが分かります。

しかし、ボンドに銃を向けられた教授がシーツごと銃を引き寄せようとすると、、、あれ?スライドが戻ってるぞ・・・? (ただ、この後銃を拾い上げた教授がガバメントを発砲しようとしたとき結局弾切れになっているので、床に落とした時に衝撃でスライドが戻っただけかもしれません。 )

また、同じシーンで、煙草を吸うため灰皿を取ろうとするボンドですが、本人は自分がたばこを吸っていたことを忘れていたのか、吸いかけの煙草がすでに灰皿にあり若干テンパってます笑  手が灰皿を持ち上げるか吸いかけの煙草を拾うか2,3回迷ってます。

そして、一番確実に間違っているミスは、『スミス・アンド・ウェッソンは6発だよ』というセリフ。 ボンドさん・・・、それコルトです。 しかも装弾数は7発です。 なのでボンドはあそこで教授に撃ち殺されててもおかしくなかったんですね汗 銃の装弾数を間違えて教授ごときに撃ち殺されるボンド・・・、そんな展開にならなくてよかったですε-(´∀`*)ホッ

放射能なんぞヘッチャラさ!! 脅威のドクター・ノオ陣営

いよいよクライマックスというところでボンドはドクター・ノオがいるコントロールルームへ忍び込みます。 そこには沢山のメーターやハンドル、計測器の様な機械が並び、たくさんのスタッフがあわただしく作業に従事しています。 これも男子心をくすぐるなぁ~。

さらにガラスで防護された席に座って部下たちに指示を出すドクター・ノオ。 

そして、その前には・・・、むき出しの軽水炉が!!(驚愕) 制御棒が上下しているのが見えてるwwww  『私たちを殺す気か!!』って普通ならとっくに死んでますよドクター!( ゚д゚ )

ドクター・ノオは水に落とされて溺死するストーリーですが、そんなところにいたら溺れなくても死んじゃうから!!

・・・とまあ、こんな感じで突っ込みどころもたくさんあるんですが、それを含めて楽しむのが古い007映画の正しい観方だと私は思っております笑   みなさんも映画をご覧になる際はぜひ探してみて下さい!

それでは!!

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3件のコメント

  1. はじめまして。今ドクターノオを拝聴して、ここにたどり着きました。

    なぜかというと、教授待ち伏せのシーンで同じ疑問を持ったからです。銃を持ったボンドの手の上から、グリップ部分が出ていたのですが、それが、アーチ型?????PPKのグリップって、あんなだったかな?と画像検索してもあんなグリップは、見当たりません。さまよううちに、ここへ。

    ブローニング1910だったんですね。

    おまけに、教授がガバメントをベッドに撃ち込んだあとのセリフ・・

    「スミスアンドウェッソンは、6発だよ。」

    実銃のない日本ならともかく・・これは、あまりにもひどい。

    あと先日、フクシマ50見たんですけど、制御棒の操作が、まさかの人力での
    ハンドル回転www そして、制御棒の上での大乱闘wwww

    ツッコミどころ満載ですが、面白い映画でした。

    1. らららさん

      コメントありがとうございます!!

      私もあのシーンを見たときに違和感を感じていろいろ調べた結果が1910でした!
      やっぱり気になっちゃいますよねw

      ガバメントとS&Wが間違っているシーンについては
      どうやらもともと台本ではS&Wを使用している設定になっていたようで、
      プロップガンが何らかの事情でガバメントに変更されたあとも
      セリフが残ってしまっていた様ですw

      おそらくドクターノオ陣営は放射能に耐性のある超人ぞろいだったのでしょう!
      日本にいたら大活躍間違いなしです!w

      こういったおおらかな時代の作品というのは
      ツッコミどころも含めていいエンターテイメントですね!

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