【感想】『兵隊やくざ』(大映/1966年)

こんにちは、おのまとぺ(゜∀。)です!!

今回は『兵隊やくざ』を鑑賞しました!! 本作は田村高廣演じる知恵の有田上等兵と勝新太郎演じる怪力の大宮のコンビが、日中戦争中の関東軍の駐屯地で力を合わせて軍隊の不条理に立ち向かう痛快なコメディ映画です!!

映画情報

  • 公開日:1965年3月13日
  • 上映時間:102分
  • 配給:大映
  • 英語版タイトル『The Hoodlum Soldier』

登場人物(カッコ内はキャスト名)

  • 大宮貴三郎(勝新太郎):やたらと喧嘩が強い初年兵。関東軍の孫呉の駐屯地へ配属されてくる。以前は浪花節語りを目指して修行をしていたが、その後ヤクザの用心棒をやっていた。有田上等兵が彼の指導役につき、二人で難局を乗り切っていくうちに彼を深く慕う様になる。喧嘩が滅法強く、制裁のビンタを食らっても逆にビンタをした人間が音を上げるほど。
  • 有田上等兵(田村高廣):孫呉の駐屯地に配属されている三年兵。高い能力を持ちながらもあえて昇進試験に落第し、意図的に上等兵のままでいる。 大宮の指導係に任命され、彼が問題を起こすたびにその頭脳と戦略で解決に導いていく。
  • 音丸(淡路恵子):駐屯地近くの町にある将校専用売春宿の娼婦。初年兵でありながら将校専用売春宿に無理やり入ってきた大宮を気に入って相手をするうちに彼に惚れてしまう。何度も大宮を連れ戻しにくる有田とも親しくなり、最終的に二人のある計画に協力することになる。
  • 白井上等兵(藤山浩二):大宮が配属された隊の初年兵上がりで階級は上等兵。初年兵に最初の制裁を加えるも、大宮にビンタとゲンコツをした際に逆に痛手を負う。黒金の年次の調査をするなど有田の指示で行動する。
  • 黒金伍長(北城寿太郎):砲兵隊の幹部候補生。大宮が風呂場で砲兵隊を打ちのめしたのち、その報復のために因縁を付けて彼に暴行を加える。しかし、駆け付けた有田の一計によって逆に指の骨をすべて折られてしまう。その後も有田と大宮に報復する機会を窺っている。
  • 石上軍曹(早川雄三):炊事班の班長で荒くれ者揃いの部下を率いて権勢をふるっている。初年兵の野木に理不尽で苛烈な制裁を加えたことで大宮と敵対する。卑怯な手で大宮をリンチに使用とするが有田によって阻止され返り討ちに合う。
  • 安倍軍曹(仲村隆):有田や大宮の所属する隊の班長。有田の同期である。面倒ごとを嫌い少々頼りないところもあるが、砲兵隊との決闘では歩兵隊の古参兵を率いて駆け付ける。
  • 中沢准尉(内田朝雄):有田の上官。有田に大宮の面倒を見る様指示する。
  • 野木二等兵(森矢雄二):初年兵。恋人と恋文のやり取りをしている。炊事班の制裁がきっかけとなって基地を脱走し自殺する。
  • 八束二等兵(渡辺鉄弥): 初年兵。大宮の協力で基地を脱走する。
  • みどり(滝瑛子):音丸の同僚の娼婦。石上からいろいろなものを受け取っていたことを有田に伝える。
  • 憲兵(成田三樹夫)
  • 衛兵司令(夏樹章)

感想

名コンビ誕生

力の大宮と知恵の有田が軍隊の不条理に挑む勧善懲悪の物語でした。 テーマとしては非常にわかりやすく万人受けするものですし、これに勝新太郎さんのコミカルな演技と迫力、田村高廣さんの知的な風貌と威厳のあるセリフ回しが相まってヒットシリーズになったというのも頷ける娯楽作品でした。 二人の個性の違いが面白く眼鏡をかけて猫背で痩せている有田と喧嘩ばっかりしては血まみれの顔でニコニコ笑っている大宮。 なかなか鮮烈なコントラストです笑 有田が腰に手を当て相手の近くに顔をこれでもかと近づけて怒鳴るのも印象的ですね。

また頭が切れるだけでなく人格者でもある有田に荒くれの大宮が心を開き、やがて固い友情で結ばれるところや、最初は助けられてばかりだった大宮が逆に有田を救うところなどは特にスカッとします! ぜひ観てほしい娯楽作です!

散りばめられた戦争の非情さ

本作はコメディではありますが、戦時中が舞台設定となっていることもあって、時折現代の人間ではゾッとする様な戦争の非情さが描かれています。 理不尽な制裁、脱走や自殺もさることながら、一番ゾッとしたのは映画の終盤で『一年後彼らはレイテ島で全員戦死した』と淡々とした口調のナレーションが入るところです。 南方戦線の恐ろしさが一気に伝わる効果的な演出でした。

勝新太郎が口ずさむ浪花節について

劇中で大宮を制裁できなかった有田に代わり、自ら自分の顔を殴って血まみれになった大宮が洗濯物を干しながら『そよと吹く風無情の風、これが親分兄弟分、出世(いづせ)の別れになろうとは』と唄うシーンがあり ますが、これは浪曲の虎造節の一節で金毘羅参りの帰りに殺された森の石松と清水の次郎長との別れをうたったものだそうです。 勝新太郎さんは長唄の師匠の息子で本人も三味線を抱えては唄っていたそうで、さすが板についた唄いっぷりです。 なお、本作と同じ大映の作品『次郎長富士』(主演:長谷川一夫)では、勝新太郎さんは森の石松を演じています。

駐屯地にきた慰問団について

大宮たちのいる駐屯地にやってきた慰問団は『第2櫻隊』となっています。 実際に櫻隊という慰問団があったそうで広島を拠点に全国を回っていたそうです。 この劇団には『無法松の一生』(1943年)にも出演していた園井恵子さんも参加していましたが、広島の原爆に巻き込まれ多くのメンバーが亡くなった悲劇が起こりました。

広島市にある櫻隊の慰霊碑

それでは!!

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